Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 胎児異常①

(S848)

妊娠21週で一児死亡の後,生児が孔脳症と腎低形成を呈した一絨毛膜一羊膜双胎の1例

A case of surviving twin diagnosed with porencephaly and renal hypoplasia after single fetal death in monoamniotic twin pregnancy

入山 高行, 町野 英憲, 中山 敏男, 小松 篤史, 永松 健, 大須賀 穣, 藤井 知行

Takayuki IRIYAMA, Hidenori MACHINO, Toshio NAKAYAMA, Atsushi KOMATSU, Takeshi NAGAMATSU, Yutaka OSUGA, Tomoyuki FUJII

東京大学医学部附属病院産婦人科

Department of Obstetrics and Gynecology, The University of Tokyo Hospital

キーワード :

【緒言】
妊娠22週未満の一絨毛膜双胎一児死亡は症例報告が少なく,生存児の予後については不明な点が多い.一絨毛膜一羊膜(MM)双胎一児死亡に限定するとさらに報告は少ないが,生命予後が非常に不良であるとする報告が散見される.今回我々は,妊娠21週でMM双胎の一児が臍帯相互巻絡によると思われる子宮内胎児死亡(IUFD)となり,生存児が脳萎縮,腎低形成を呈したが,妊娠36週で生児を得た症例を経験したので報告する.
【症例】
33歳,2回経妊2回経産.当院にて膜性診断しMM双胎として管理され,妊娠20週で臍帯相互巻絡を認めていた.妊娠21週4日に一児IUFDを確認,生存児に皮下浮腫および胸水貯留を認めた.両児IUFDとなる可能性および出生したとしても神経学的予後が不良である可能性が高いことが本人および家族に説明され,協議のうえ妊娠継続の方針となった.妊娠23週に胎児水腫の所見は消失したが,両側側脳室の拡大を認めた.妊娠24週には両側の大脳実質の萎縮および脳梁形成不全の所見を認めた.妊娠26週にAFI:2.5と急激な羊水過少となり管理入院とした.妊娠28週より両側の腎臓の萎縮を認め,頭囲を含めて胎児発育も停滞したが,その後妊娠経過とともに羊水量および胎児発育が改善したため外来経過観察となった.妊娠36週0日に自然陣痛発来し正常経腟分娩に至った.児は2775g男児アプガースコア:7点(1分)8点(5分)でUApH:7.312であった.NICU入院となり,精査により孔脳症および右側優位な両側腎低形成の診断となった.日齢2に血清クレアチニン1.44mg/dlと高値であったが,日齢11に自然に0.8 mg/dlに低下し全身状態良好にて日齢12で退院となった.
【結論】
我々の知る限り,妊娠22週未満のMM双胎の一児IUFD症例で生児を得た症例の報告は無い.生存児に生じた虚血,脳障害,腎低形成,羊水過少,その後の全身状態の改善,とその一連の経過を追うことができた貴重な症例と考え,文献的考察を加えて報告する.