Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 胎児心臓・血管

(S843)

蛋白漏出性胃腸症を発症した胎児心疾患の検討

Examination of fetal cardiac disease with protein loosing enteropathy

長澤 真由美1, 3, 川滝 元良2, 3

Mayumi NAGASAWA1, 3, Motoyoshi KAWATAKI2, 3

1埼玉県立小児医療センター未熟児新生児科, 2東北大学周産母子センター産婦人科, 3神奈川県立こども医療センター新生児科

1Department of Neonatology, Seriatim Childrens Medical Center, 2Department of Gynecology and Obstetrics, Tohoku University Perinatal Medical Center, 3Department of Neonatology, Kanagawa Childrens Medical Center

キーワード :

単心室疾患に対するFontan手術の遠隔期の合併症の一つに蛋白漏出性胃腸症(PLE)がある.今回当院で入院加療を必要としたPLE症例9例のうち,胎児期に心疾患の診断をされていた2例について検討を行った.2例とも無脾症候群の症例であった.当院で胎児診断された無脾症候群63例(1995年から2014年)中PLEを認めたのは上記の2例のみであった.
【症例1】
18歳男子,在胎37週6日,2590gで出生.胎児期よりAsplenia, CA, unbalanced AVSD, PA, MAPCA, bil PDA, TAPVD(1b)と診断されていた.日齢44にMAPCAに対して,uniforcalization,LtBTSを施行.その後3歳11ヶ月時にBCPS,TAPVD repair,4歳2ヶ月時にfenestrated TCPCを施行した.経過中SVC圧,IVC圧,RVEDPは徐々に上昇,12歳時にはSVC圧,IVC圧はともに16mmHg,RVEDP 13mmHgであった.13歳時よりPLEを発症した.
【症例2】
5歳3ヶ月男児.在胎40週2日,2440gで出生.胎児期よりAsplenia, CA, AVSD, PA, TAPVD(1a)と診断されていた.日齢1にTAPVD repair,Lt BTSを施行.4ヶ月にBCPS施行.1歳4ヶ月時よりPSVTを発症し,薬物治療,ablationを施行した.2歳9ヶ月にfenestrated TCPCを施行(PVSTに対するablationのためにfenestrated TCPCを選択).3歳2ヶ月時よりPLEを発症した.3歳3ヶ月時のSVC圧,IVC圧はともに18mmHg,RVEDP10mmHgであった.
【考案】
今回Fontan術後の重篤な合併症であるPLEが胎児期から予測できるかを検討した.2例とも胎児期には共通房室弁逆流,TAPVDに伴う肺静脈狭窄(PVO)などの将来の体静脈圧の上昇を示唆する所見は認めなかった.しかし,PLE発症時には体静脈圧の上昇を認めており,現時点では胎児期の所見からはPLEの発症の予測は困難であると考えられた.