Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 胎児心臓・血管

(S842)

胎児期に診断された三尖弁異形成の出生後経過に関する検討

3 cases of the tricuspid valve dysplasia diagnosed in fetal period

日根 幸太郎1, 緒方 公平1, 斉藤 敬子1, 与田 仁志1, 中田 雅彦2

Kotaro HINE1, Kohei OGATA1, Keiko SAITOU1, Hitoshi YODA1, Masahiko NAKATA2

1東邦大学医療センター大森病院新生児科, 2東邦大学医療センター大森病院産婦人科

1Neonatology, Toho University Omori Medical Center, 2Obstetrics and Gynecology, Toho University Omori Medical Center

キーワード :

【背景】
三尖弁異形成の予後は合併症や循環動態により様々である.胎児期にあげられる予後不良因子として,心胸郭断面積比(CTAR),右房拡大(Celermajer index:以下CI)やTR,肺動脈弁逆流や閉鎖,肺低形成の程度などがある.
【症例1】
在胎26週時に胎児超音波でTVDと診断された.在胎36週の胎児超音波でCTAR 43%,TR流速3.5 m/s,CI 1.23であったが,肺動脈血流は順行性に保持されていた.出生後は胸部単純X線写真でCTR 94%と心拡大を認めたが酸素投与のみで管理できた.入院中にPSVTを認めたが,抗不整脈薬の使用で管理でき,心拡大とTRは徐々に改善し日齢36に退院した.
【症例2】
在胎36週時にTVDと診断された.胎児超音波でCTAR 39%,TR流速3.1 m/s,CI 1.44,順行性の肺動脈血流を認めた.出生後CTR 64%であったが,治療介入無く改善し,日齢4に退院した.
【症例3】
在胎25週時にTVDと診断された.在胎36週の胎児超音波でCTAR 60%,TR流速2.2 m/s,CI 1.63,主肺動脈とPDAの逆流を認め,circular shuntの状態であった.出生後,CTR 81%で,気管挿管,酸素,NO,PGE1投与を行い,段階的にStarnes手術として日齢1に主肺動脈結紮術,右房縫縮術を施行,日齢10にStarnes手術施行したが,死亡した.
【考察】
本症例では肺低形成は無かったがその他の予後不良因子は本検討でも一致し,特に胎児期ではCTARやCI,circular shuntが出生後の呼吸循環管理の程度を反映した.これらを考慮し,人工呼吸管理やNO吸入療法などの準備が分娩に望む上で可能と考えられた.出生後のCTRが90%を超えるTVDであっても,予後の評価には直結せず,胎児の段階での評価が大事である.また出生後は,手術が不要な症例も不整脈などに注意が必要である.