Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 母体①

(S838)

経腟超音波断層法が診断に有用であった妊娠後屈子宮嵌頓症の1例

A case report of incarcerated gravid uterus diagnosed by transvaginal ultrasonography

広田 真一, 山田 拓馬, 竹田 健彦, 田野 翔, 宇野 枢, 吉原 雅人, 眞山 学徳, 鵜飼 真由, 岸上 靖幸, 小口 秀紀

Shinichi HIROTA, Takuma YAMADA, Takehiko TAKEDA, Sho TANO, Kaname UNO, Masato YOSHIHARA, Michinori MAYAMA, Mayu UKAI, Yasuyuki KISHIGAMI, Hidenori OGUCHI

トヨタ記念病院周産期母子医療センター産科

Department of Obstetrics, Perinatal Medical Center, TOYOTA Memorial Hospital

キーワード :

【緒言】
子宮底が骨盤内に嵌頓する妊娠後屈子宮嵌頓症は3000妊娠に1例と稀な疾患であり1),一般には排尿時痛など症状は膀胱炎と類似する.流産,子宮破裂,膀胱破裂など重篤な合併症が知られているが,標準的な治療は確立していないため,これまで用手的な整復や大腸内視鏡,腹腔鏡下手術などで治療を行った症例報告が散見されるのみである1,2).今回我々は妊娠16週4日に腹部膨満感と尿閉を主訴に来院し,経腟超音波断層法で妊娠後屈子宮嵌頓症と診断し,導尿と胸膝位にて子宮を整復できた症例を経験したので報告する.
【症例】
39歳女性,1経妊0経産.既往歴に特記事項なし.妊娠15週頃から排尿時痛,残尿感,頻尿を認め膀胱炎として治療を受けていた.妊娠16週4日に尿閉と腹部膨満感を認めたため近医を受診し,精査目的に当院へ緊急母体搬送となった.経腟超音波断層法で子宮は高度に後屈し,子宮頸管の伸展と膀胱内に著明な尿貯留を認め,妊娠後屈子宮嵌頓症が疑われた.診断目的にMRIを施行し,後屈子宮の骨盤腔への嵌頓を認め,妊娠後屈子宮嵌頓症と診断した.導尿と胸膝位を行い,翌日の経腟超音波断層法では子宮嵌頓所見は改善し,その後徐々に排尿障害も改善した.妊娠19週0日に行った経腟超音波断層法,MRIでは子宮の後屈および嵌頓は消失していた.その後の妊娠経過は順調で,現在妊娠継続中である.
【結論】
妊娠後屈子宮嵌頓症は稀な疾患であり,症状が膀胱炎と類似するため診断が遅れることが多い.しかし妊娠週数が進むにつれ子宮破裂や膀胱破裂などの合併症のリスクが高くなり,また整復が困難となることから早期の診断が重要である3).経腟超音波断層法は妊娠後屈子宮嵌頓症の診断および治療効果の判定に有用であった.
【文献】
1)Dierickx I, et al. Colonoscopy-assisted reposition of the incarcerated uterus in mid-pregnancy: a report of four cases and a literature review. European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology. 2011;158:153-158.
2)23.Grossenburg NJ, et al. Treatment of a late second-trimester incarcerated uterus using ultrasound-guided manual reduction. Obstet Gynecol 2011;118:436.
3)Hess LW, et al. Incarceration of the retroverted gravid uterus: report of four patients managed with uterine reduction. South Med J. 1989;82:310.