Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 母体①

(S836)

経腹超音波断層法が診断に有用であった処女膜閉鎖症の2例

Two cases of imperforate hyemen diagnosed by transabdominal ultrasonography

山田 拓馬, 広田 真一, 竹田 健彦, 宇野 枢, 田野 翔, 吉原 雅人, 眞山 学徳, 鵜飼 真由, 岸上 靖幸, 小口 秀紀

Takuma YAMADA, Shinnichi HIROTA, Takehiko TAKEDA, Kaname UNO, Sho TANO, Masato YOSHIHARA, Michinori MAYAMA, Mayu UKAI, Yasuyuki KISHIGAMI, Hidenori OGUCHI

トヨタ記念病院産婦人科

Department of Obstetrics and Gynecology, Toyota Memorial Hospital

キーワード :

【緒言】
処女膜閉鎖症は先天性女性器奇形のうちでは最も頻度の高い疾患であるが,比較的まれな疾患であり,発生頻度は0.014-0.02%とされている1).月経開始後,月経血が腟外に排泄されず腟留血腫や子宮留血腫を形成し,下腹部痛や腹部腫瘤をきたす.処女膜閉鎖症は他の奇形を伴わないことが多く,適切な処置を行う事で,速やかに症状が改善するとされている2).新生児期や小児期に診断されることがあるが,思春期例では,外陰部の視診や診察が躊躇され,診断が遅れる場合がある.今回われわれは経腹超音波断層法が診断に有用であった処女膜閉鎖症の2例を経験したので報告する.
【症例】
症例1は15歳.初経未発来.半年前より月初めに下腹部痛が出現し,受診2週間前から持続痛を認めた.近医を受診し,腹部腫瘤を指摘され当院紹介受診となった.腹部は軟らかく,全体的に軽度の圧痛を認めた.恥骨上より臍上4横指に及ぶ腹部腫瘤を触知し,経腹超音波断層法にて長径17 cmをこえる単房性の嚢胞性腫瘤とその頭側に子宮を認めた.子宮の内腔は拡張し,嚢胞性腫瘤に連続していた.視診にて腟口は欠損し,腟壁に相当する部分は膨隆し,処女膜閉鎖症と診断した.静脈麻酔下に処女膜切開縫合術を施行し,1186 gの茶褐色の内容液を吸引した.術後7ヵ月経過した現在,月経は順調に発来しており,再発兆候は認めていない.症例2は12歳.初経未発来.下腹部痛と肛門痛を主訴に近医を受診し,経過観察となっていた.6日後に再度激しい下腹部痛と肛門痛を自覚し,疼痛が徐々に増悪傾向となったために当院救急外来へ緊急搬送となった.来院時,脈拍101回/分,体温36.7℃,呼吸数24回/分,SpO2 98%(室内気)であった.腹部は平坦軟,右下腹部を中心に高度な圧痛を認めた.反跳痛は認めなかった.経腹超音波断層法にて子宮から連続して長径13 cm大の嚢胞性病変を認めた.腟内の液貯留は子宮頸管を通じて拡張した子宮内腔に通じていた.視診にて腟口は欠損し,腟壁に相当する部分は膨隆しており,処女膜閉鎖症と診断した.処女膜切開縫合術を施行し,300 gの黒褐色の内容液を吸引した.術後経過は良好で,術後4ヵ月経過した現在,月経は順調に発来しており,外来にて経過観察中である.
【結論】
経腹超音波断層法は,比較的まれな疾患である処女膜閉鎖症の診断に有用であった.また,外陰部の視診や診察が躊躇され診断が遅れることのある思春期の症例に対して,経腹超音波断層法は有用な検査法であった.
【文献】
1)Dane C, Dane B, Erginbas M et al. Imperforate hymen-a rare cause of abdominal pain: two cases and reviw of the literature. J Pediatr Adolesc Gynecol. 2007 20(4):245-247.
2)Beena Salhan, Olufunmilayo Theresa Omisore, Priyadarshi Kumar et al. A Rare Presentation of Imperforate Hyemen: A Case Repot. Case Reports in Urology. 2013 731019,3