Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 膵

(S814)

腹部超音波検査で4ヶ月経過観察後に切除し得た膵管癌(膵上皮内癌)の一例

A case of intraductal pancreatic carcinoma resected after a 4-month follow-up by ultrasound examination

中野 智景1, 2, 西村 貴士1, 2, 東浦 晶子1, 末岡 英明3, 近藤 祐一3, 廣田 誠一4, 藤元 治朗3, 飯島 尋子1, 2

Chikage NAKANO1, 2, Takashi NISHIMURA1, 2, Akiko HIGASHIURA1, Hideaki SUEOKA3, Yuichi KONDO3, Seiichi HIROTA4, Jiro FUJIMOTO3, Hiroko IIJIMA1, 2

1兵庫医科大学病院超音波センター, 2兵庫医科大学病院内科肝胆膵科, 3兵庫医科大学病院肝胆膵外科, 4兵庫医科大学病院病院病理部

1Depertment of Ultrasound Imaging Center, Hyogo College of Medicine, Hyogo, Japan, 2Depertment of Internal Medicine, Division of Hepatobiliary and Pancreatic Disease, Hyogo College of Medicine, Hyogo, Japan, 3Depertment of Surgery, Division of Hepatobiliary and Pancreatic Disease, Hyogo College of Medicine, Hyogo, Japan, 4Depertment of Surgical Pathology, Hyogo College of Medicine, Hyogo, Japan

キーワード :

【背景】
膵臓癌は進行癌で発見されることが多くstageⅠであっても5年生存率が57%と極めて予後不良で早期発見が重要である.今回腹部超音波検査での膵管拡張を契機に発見されたsatge0の膵癌を経験したので報告する.
【症例】
80歳代女性.人間ドックでCA19-9;63.3U/mlと高値を指摘され精査目的に紹介となった.血液検査ではAMY;131IU/Lと軽度上昇のみで,CA19-9;33.4U/ml,CEA;4.2U/mlとともに正常であった.既往歴は高血圧以外特記事項なし.自他覚所見も異常認めず.初回の腹部超音波検査では膵尾部に6.0mmの不整な主膵管拡張を認めたが腫瘤は認められなかった.腹部造影CT,MRCP検査でも膵尾部の主膵管拡張のみであった.2か月後の腹部超音波検査では主膵管は7.0mmとさらに拡張していた.超音波内視鏡検査では膵尾部に限局した約5.0mmの膵管拡張と約10mmの境界不明瞭な低エコー領域を認めたため膵癌を疑ったが,ERCPは同意が得られず,さらに2か月後に画像検査を行った.腹部超音波検査では主膵管拡張は変化なかったが,腹部造影超音波検査では造影剤投与2分以降で染影低下する境界明瞭な領域を認めた.そこで再度腹部造影CT,MRCP検査を施行したが,膵尾部の主膵管拡張のみで,腫瘤性病変は認められなかった.不整な主膵管拡張があること,腹部造影超音波検査で染影低下する領域を認めることから膵体部膵癌を強く疑い,本人家族同意のもと膵体尾部脾合併切除術を施行した.病理組織学的検査で膵体部膵癌stage0(膵上皮内癌)と診断された.以降再発なく経過観察中である.
【結語】
腹部超音波検査での膵管拡張の変化を契機に診断,治療し得たStage0の膵体部膵癌を経験した.明らかな膵腫瘤性病変を認めない場合でも膵管拡張があれば,膵癌を念頭に置いて注意深く観察する必要がある.