Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 膵

(S813)

造影超音波検査が診断に有用であった自己免疫性膵炎の一例

A case of Autoimmune pancreatitis which contrast-enhanced ultrasonography was useful in the process of diagnosis

田原 真琴1, 望月 幹彦1, 秋葉 宏美1, 渡邉 彩子2, 岡本 英子2, 北詰 晶子2, 高木 謙太郎2, 近藤 真由美2, 長尾 俊孝3, 畑 明宏2

Makoto TAHARA1, Mikihiko MOCHIZUKI1, Hiromi AKIBA1, Ayako WATANABE2, Eiko OKAMOTO2, Akiko KITAZUME2, Kentarou TAKAGI2, Mayumi KONDOU2, Toshitaka NAGAO3, Akihiro HATA2

1公益財団法人東京都保健医療公社豊島病院検査科, 2公益財団法人東京都保健医療公社豊島病院内科, 3東京医科大学人体病理学講座

1Department of Clinical Laboratory, Tokyo Metropolitan Health and Medical Treatment Corporation Toshima Hospital, 2Internal Medicine, Tokyo Metropolitan Health and Medical Treatment Corporation Toshima Hospital, 3Department of Anatomic Pathology, Tokyo Medical University

キーワード :

【はじめに】
自己免疫性膵炎は,時に膵腫瘤を形成する特有な膵炎であり,リンパ球と形質細胞の高度な浸潤と線維化を組織学的特徴とする.ステロイド治療により速やかに反応することが治療上の特徴である.本邦より発信された疾患概念であり,原因不明であると言われている.
今回,造影超音波検査が診断に有用であった自己免疫性膵炎の一例を経験したので報告する.
【症例】
50歳代男性
【主訴】
背部痛
【既往歴】
大腸ポリープ,脂質異常症
【現病歴】
2014年9月初旬より臀部から背部にかけて鈍痛が出現したため,当院救急外来を受診した.9月中旬以降痛みは自然軽快したが,精査目的にて10月初旬腹部超音波検査を施行した.
【画像所見】
腹部超音波検査にて,膵体部と鉤部にそれぞれ32mm大と24mm大のhypoechoic lesionを認めた.境界明瞭やや粗糙,腫瘤の内部エコーは均一,血流シグナルは一部あるように見られたがはっきりせず,尾側主膵管の拡張は認めなかった.腹部ダイナミックCTを施行し,同部位に乏血性腫瘤を認めた.膵癌の除外ができず,膵腫瘤の精査を行うためソナゾイド®造影超音波検査を行ったところ,造影前の観察では前回指摘されたhypoechoic lesionは同定されず体尾部を中心としたびまん性腫大を認め,実質は低輝度を呈していた.造影を行うと注入早期に膵全体に均一に染影され,約20秒でwash outした.後日他院にて超音波内視鏡下穿刺生検を行った.
【病理所見】
膵組織に著明な線維化とリンパ球・形質細胞の浸潤を認め,免疫組織化学的にIgG4陽性形質細胞が多数浸潤していることにより自己免疫性膵炎として矛盾しない所見であった.
【考察】
今回の症例では,初回時に膵腫瘤を形成していたが,経過観察中にびまん性病変へと形態変化を示した.悪性疾患を否定する目的で行ったソナゾイド®造影超音波検査では,注入早期に染影されhypovascularityが主体な膵癌とは異なる造影パターンを呈した.これらにより膵癌との鑑別にソナゾイド®造影超音波検査が有用であると思われた.
【結語】
造影超音波検査が診断に有用だと認識した自己免疫性膵炎の一例を経験した.