Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 その他①

(S810)

Lymphangiohemangioma(lymphatic-venous malformation)の一例

A case of mesenteric lymphangiohemangioma

香原 美咲1, 岩崎 信広1, 中村 真実子1, 佐々木 一朗1, 杤尾 人司1, 簑輪 和士1, 杉之下 与志樹2, 鄭 浩柄2, 猪熊 哲朗2, 今井 幸弘3

Misaki KOHARA1, Nobuhiro IWASAKI1, Mamiko NAKAMURA1, Ichiro SASAKI1, Hitoshi TOCHIO1, Kazushi MINOWA1, Yoshiki SUGINOSHITA2, Hiroshi TEI2, Tetsuro INOKUMA2, Yukihiro IMAI3

1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部, 2神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科, 3神戸市立医療センター中央市民病院臨床病理科

1Clinical Laboratory, Kobe City Medical Center General Hospital, 2Gastrointestinal Medicine, Kobe City Medical Center General Hospital, 3Clinical Pathology, Kobe City Medical Center General Hospital

キーワード :

【はじめに】
小腸間膜リンパ管奇形は比較的稀な疾患であるが,静脈奇形を合併する例は極めて少ない.今回,静脈奇形を伴うリンパ管奇形の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
【症例】
70歳代男性
【主訴】
腹痛
【既往歴】
前立腺肥大症
【生活歴】
喫煙:なし,アルコール:ビール500ml,焼酎1合/日
【現病歴】
10代後半より原因不明の心窩部痛で入退院を繰り返していた.2015年1月より再び心窩部痛が出現するようになったが,市販薬の服用により軽快していた.しかし,2015年7月より,排便頻度の減少と心窩部痛の増強が認められるようになり近医を受診した.投薬治療を受けるも症状の改善が認められず精査加療目的にて当院紹介となった.
【超音波検査】
右下腹部の膨隆部に一致して輪郭・形状ともに比較的整な高エコー腫瘤像が認められた.内部は充実性で均一な像を呈していた.境界には腫瘤を取り囲むように小さな低エコー域が散在性に認められた.カラードプラでは辺縁から流入する血流シグナルが観察された.周囲との関連については近接する腸管を圧排し,同部の壁肥厚と蠕動運動の低下が認められ虚血性変化が疑われた.口側腸管の拡張など通過障害を示唆する所見は認められず.
【腹部造影CT】
終末回腸の腸間膜の脂肪織濃度が上昇し腫瘤様を呈しており,腸間膜脂肪織炎が疑われた.腸管は腫瘤にて圧排され,腫瘤に接した腸管の造影効果は不良であった.
【臨床経過】
入院後,貧血と黒色便(タール便)を認め上下部消化管内視鏡検査が施行されたが,明らかな出血源は不明で,腸管膜腫瘤からの出血が疑われたため外科的切除の方針となった.
【切除標本所見】
腫瘤のサイズは16.5x10.5x6.5cmで漿膜に覆われており断裂像は認められなかった.割面像は中心部がやや黄色を呈し全体としては暗赤色〜赤色の色調の海面状構造であった.腫瘤部と連続する小腸粘膜面の一部は潰瘍を形成していた.
【病理標本所見】
脂肪組織の中に線維性間質に囲まれた大小の腔が散在性に認められた.部分的に平滑筋細胞増生を認めるも,明らかな異型細胞や核分裂像は認められなかった.血管腫やリンパ管腫,血管筋脂肪腫が鑑別に挙げられたが,免疫染色でCD31陽性,CD34およびD2-40は陰性,小型の腔はCD31,CD34,D2-40のいずれも陽性でlymphangiohemangioma(lymphatic-venous malformation)と診断された.