Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 その他①

(S809)

副腎腫瘍に対して超音波内視鏡下穿刺術で診断可能であった1例

EUS-FNA of aderenal tumor; A case report

上垣 佐登子1, 西村 誠2, 佐々木 美奈1

Satoko UEGAKI1, Makoto NISHIMURA2, Mina SASAKI1

1東京都健康長寿医療センター消化器内科, 2東京都健康長寿医療センター内視鏡科

1Gastroenterology, Tokyo Metropolita Geriatric Hospital, 2Gastroenterology, Tokyo Metropolita Geriatric Hospital

キーワード :

今回我々は,副腎腫瘍に対し,超音波内視鏡下穿刺術(以下EUS-FNA)で病理診断を行った症例を経験したので報告する.
症例は63歳男性.両側副腎原発のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の診断で,他院で化学療法を施行した.半年後にはPRとなった.しかし8コース後より左副腎の病変のみ増大傾向となった.化学療法のレジメンを変更し治療を継続しているものの,左副腎の病変のみさらに約40mmと増大していった.そのため今後の加療目的で,当院血液内科を紹介受診となった.
PET検査を行ったところ,左副腎にのみ集積が認められた.これまで1年以上の化学療法を施行したうえでの状態であり,左副腎の病変がもとのDLBCLによるものかどうか組織学的な再評価が必要となり,当科受診.腹部超音波検査では,左副腎は約50mm大の不整形な低エコー腫瘍であった.その他,肝も均一でリンパ節の腫大は認めなかった.EUSでは,左副腎はびまん性に腫大し約65mm×15mm大の均一な低エコーを呈する腫瘤病変であった.
EUS-FNAを施行し,22GのProCore針(Cook社)で副腎の腫瘤を穿刺した.結果は,細胞診では,異型リンパ球が弧在性や集簇で多数みられ,中〜大型のリンパ球でN/C比が高く,核形不整,腫大した複数の核小体が認められた.組織診断では,核小体明瞭な大型異形細胞の浸潤が見られ,免疫染色ではCD20陽性であった.両者よりDLBCLと診断し,病変が限局しているために,速やかに放射線治療が開始できた.
EUS-FNAは腹部臓器では膵やリンパ節を標的臓器にすることが多く,副腎を穿刺することは稀である.しかしながら本症例では,EUS下で副腎腫瘤は観察良好で,EUS-FNAが可能であった.今後,経皮的な生検と相補的になりうる可能性は大きく,EUSでの更なる症例の積み重ねも必要と考えられた.以上,副腎腫瘍に対して超音波内視鏡下穿刺術で診断した1例について,若干の文献的考察を含めて報告する.