Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 肝腫瘍②

(S805)

低分化型肝癌との鑑別が困難であった肝原発悪性リンパ腫の一例

A cases of primary hepatic malignant lymphoma who was difficult to discrimination with poorly differentiated hepatocellular carcinoma

狩山 和也, 湧田 暁子, 大西 理乃, 能祖 一裕

Kazuya KARIYAMA, Akiko WAKUTA, Ayano OONISHI, Kazuhiro NOUSO

岡山市立市民病院肝疾患センター

Department of Liver Disease Center, Okayama City Hospital

キーワード :

症例は88歳男性.虫垂炎(S23),不整脈(H22)の既往あり.2011年より近医でC型慢性肝炎follow中,2015年1月にC型慢性肝炎治療目的に当院紹介.初診時AFP3676ng/mL,PIVKA-II64300mAU/mL.精査にて肝左葉に6cm大単発腫瘍認め肝細胞癌の診断で2月24日肝左葉切除.病理診断は混合型肝癌であった.その後6月に再発認めRFA.9月に腰椎転移認め放射線治療施行.以後,一時tumor marker低下(11月9日:AFP 67.9ng/mL,PIVKA-II 573mAU/mL)も再度上昇傾向(12月11日AFP 162.5ng/mL,PIVKA-II 1307mAU/mL)ありEOB MRI施行したところ,肝S6に2.5cm大の早期相で周囲と同程度の濃染,平衡相,肝細胞相でwashout認める腫瘍認め精査目的に12月14日入院.超音波像は,B-modeでは均一なlow echoic SOLとして描出.腫瘍内penetrating signなし.ソナゾイド®用い造影超音波施行したところ早期血管相にて濃染しKupffer相でwashoutを認め,腫瘍生検を施行した.IVR-CT施行したところ,CTAPではS6欠損像,CTHAでは第1相,第2相ともring状濃染を認め低分化型肝細胞癌と考えられた.しかし組織診断の結果は,大型のlymphoid cellがびまん性に増殖し,それらの腫瘍細胞はmarker study上,CD20陽性,CD3陰性,CD5陰性,CD10陽性で,Ki-67 labeling index:highであり,Diffuse Large B Cell Lymphomaであった.診断時のsIL-2Rは1005U/mL.造影超音波を含めた画像所見で診断困難であった肝原発悪性リンパ腫の一例を経験したので報告する.