Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 肝腫瘍①

(S804)

左肝管内に限局した肝細胞癌の一例

A case of localized hepatocellular carcinoma in the left hepatic duct

永山 林太郎

Rintaro NAGAYAMA

福岡大学筑紫病院消化器内科

Department of Gastoroenterology, Fukuoka University Chikushi Hosital

キーワード :

症例は78歳,男性.平成27年7月下旬に上腹部痛で近医を受診した.血液検査で肝胆道系酵素が上昇していたため,精査加療で当科に紹介となった.腫瘍マーカーはAFP,CEA,CA19-9は正常範囲内であったがPIVKA-Ⅱは143 mAU/mlと上昇していた.腹部USで左肝管内に20mm×12mmの等エコー腫瘤あり.MD-CTでは,下部胆管に30mm大の結石と左肝管に20mm大の腫瘤を認め,MD-CTのDynamic studyで腫瘤は早期に濃染された.MRCPでは左肝内胆管は拡張し,腫瘤部は欠損していた.EOB-MRIで腫瘤は,動脈相で早期濃染があり,肝細胞相で低信号を呈した.CE-EUSでは,腫瘤は早期に濃染され,後期相で造影効果は遷延していた.ERCでは総胆管はびまん性に拡張していた.総胆管結石を截石後の経口胆道鏡検査では,左肝管に白色調の腫瘤があり,腫瘤生検では中分化型肝細胞癌であった.左肝管に限局した肝細胞癌と診断し,肝左葉切除術を行った.病理組織学的に左肝管内の腫瘤は,胆管内に限局した中分化型肝細胞癌であった.胆管内に限局した肝細胞癌は比較的稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.