Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器⑦

(S795)

大動脈弁置換術後の左室逆リモデリング予測に負荷心エコー図が有用であった一例

Low-dose dobutamine stress echocardiography for reverse remodeling prediction after aortic valve replacement

新井 光太郎1, 芦原 京美1, 齋藤 千紘1, 谷野 紗恵1, 五十嵐 慶子1, 山崎 健二2, 萩原 誠久1

Kotaro ARAI1, Kyomi ASHIHARA1, Chihiro SAITO1, Sae TANINO1, Keiko IKARASHI1, Kenji YAMAZAKI2, Nobuhisa HAGIWARA1

1東京女子医科大学循環器内科, 2東京女子医科大学心臓血管外科

1Department of Cardiology, Tokyo Women’s Medical University, 2Cardiovascular Surgery, Tokyo Women’s Medical University

キーワード :

症例は49歳男性.40歳時に高血圧を指摘されていたが放置していた.49歳時に夜間の呼吸苦が出現し,座位でも改善しないため近医を受診した.胸部レントゲンで著明な心拡大と肺うっ血,心エコー図で左室壁運動の低下と大動脈弁逆流を認めた.当院を紹介受診し同日緊急入院となった.入院時心エコー図で左室拡張末期径/収縮末期径は82/70mmと著明な左室拡大,左室駆出率26%と高度な収縮能低下を認めた.大動脈弁は2尖弁で高度の大動脈弁逆流を認めた.心不全加療後に左室収縮予備能を判定するため,低用量ドブタミン負荷心エコー図を施行した.ドブタミン10μg /kg/min投与で左室駆出率は26%から32%へ改善したため左室収縮予備能があると判断し大動脈弁置換術を施行した.1年後の経胸壁心エコー図では,左室拡張末期径/収縮末期径は56/45mmと縮小し,左室駆出率は45%へ改善した.左室収縮能の低下した重症大動脈弁逆流症例に対して低用量ドブタミン負荷心エコー図が大動脈弁置換術後の左室逆リモデリング予測に有用であった症例を経験したため,論文的考察を含め報告する.