Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器④

(S786)

経胸壁心エコー図検査にて偶然発見された乾酪様僧帽弁輪石灰化の一症例

A case of caseous calcification of mitral annulus which was found accidentally during the routine transthoracic echocardiography

藤田 武1, 玉置 俊介2, 鳥井 麻梨1, 長友 あゆみ1, 平瀬 裕美1, 小牧 愛1, 近藤 匠巳2, 山田 貴久2, 福並 正剛2

Takeshi FUJITA1, Shunsuke TAMAKI2, Mari TORII1, Ayumi NAGATOMO1, Hiromi HIRASE1, Ai KOMAKI1, Takumi KONDO2, Takahisa YAMADA2, Masatake FUKUNAMI2

1大阪府立急性期・総合医療センター臨床検査科, 2大阪府立急性期・総合医療センター心臓内科

1Department of Clinical Laboratory, Osaka General Medical Center, 2Division of Cardiology, Osaka General Medical Center

キーワード :

【はじめに】
乾酪様僧帽弁輪石灰化(Caseous Calcification of Mitral Annulus: CCMA)は,高齢者の僧帽弁後尖弁輪に好発する心内の腫瘤性病変である.僧帽弁輪石灰化(Mitral Annular Calcification: MAC)のまれな亜型と考えられており,その発生頻度はMACを認める症例の0.6%前後と報告されている.今回我々はスクリーニング目的にて施行した経胸壁心エコー図検査で偶然発見されたCCMAの一症例を経験したので報告する.
【症例】
82歳女性.特記すべき心疾患の既往は無く,近医にて高血圧症・糖尿病のため通院加療中であった.最近になり血圧コントロールが悪化したため当院紹介受診し,スクリーニング目的にて経胸壁心エコー図検査施行となった.経胸壁心エコー図検査では,僧帽弁後尖弁輪部P2からP3の範囲に大きさ21mm程度の境界明瞭なほぼ球形の腫瘤性病変を認めた.表面は滑らかで高輝度であり,音響陰影は伴っておらず,内部は低輝度〜等輝度が混在した不均一なエコー輝度を呈したことから,CCMAが疑われた.追加精査のため後日心臓MRIおよび心臓CTを施行した.心臓MRIでは腫瘤性病変はエコーと同様の形態を示し,T1強調画像・T2強調画像・心筋パーフュージョン画像で低信号であり,腫瘤辺縁に遅延造影を認め,CCMAを示唆する所見であった.また,心臓CTでは腫瘤内部は高輝度で辺縁に石灰化を伴っており,CCMAに合致する所見であった.以上の所見より本症例はCCMAと診断された.CCMAは一般的に良性疾患であるとされており,また現在の所明らかな僧帽弁機能不全を呈しておらず,しばらくの間外来にて注意深く経過観察を行う方針となった.
【考察】
CCMAは稀な疾患であり,また本症例のように同一症例において心エコー図検査・心臓MRI・心臓CTで観察し得た報告はこれまでほとんど無く,本症例は稀有な症例と考えられた.