Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器②

(S780)

心臓超音波検査が有用であった乳癌右心室内転移の一例

A case of metastatic cardiac tumor from breast cancer

吉田 大和1, 田中 伸明2, 和田 靖明3, 有吉 亨3, 西川 寛子3, 田中 智子3, 藤井 彩乃3, 豊田 紋子1, 奥田 真一4, 矢野 雅文4

Hirokazu YOSHIDA1, Nobuaki TANAKA2, Yasuaki WADA3, Toru ARIYOSHI3, Hiroko NISHIKAWA3, Tomoko TANAKA3, Ayano FUJII3, Ayako TOYOTA1, Shinichi OKUDA4, Masafumi YANO4

1山口大学大学院医学系研究科保健学専攻, 2山口大学大学院医学系研究科病態検査学分野, 3山口大学医学部附属病院超音波センター, 4山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学

1Department of Health Sciences, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, 2Department of Clinical Laboratory Sciences, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, 3Ultrasound Examination Center, Ymaguchi University Hospital, 4Department of Medicine and Clinical Science, Yamaguchi University Graduate School of Medicine

キーワード :

【症例】
症例は30歳代女性.X年に右乳房の充実腺管癌の診断で術前化学療法を受け,X+1年に乳房切除術+腋窩リンパ節郭清を施行された.術後早期に右胸骨傍リンパ節転移を認め,右胸骨リンパ節郭清術の後,胸壁に放射線治療を施行された.その後小脳転移,多発肺転移を認め,X+2年春には他院の心臓超音波検査と造影CTで右室内に腫瘤を認め,乳癌の心臓転移を疑われて,右室内腫瘤に対する精査目的に当院を紹介された.当院の経胸壁心エコー図検査では,右室内に内部エコー不均一な表面不整の腫瘤(28×53mm)を認めた.三尖弁には異常所見なく,明らかな右室内閉塞機転はみられなかった.化学療法が開始されたが,肺転移の増大,多発脳転移を認め,放射線治療が開始された.その後,倦怠感,呼吸苦と浮腫を自覚,徐々に食欲不振を伴うようになり,CTにて心嚢液増量,下大静脈拡張,胸腹水貯留を認め,心嚢液精査のため循環器内科へ緊急入院となった.入院時心エコー図検査では依然として右室内に30×53mmの腫瘤を認めたほか,全周性に25mm程度の心嚢液貯留,IVCの拡大と呼吸性変動の消失を認め,右室自由壁の虚脱も伴い心タンポナーデと診断された.心囊穿刺が行われ,心囊液細胞診より腺癌と診断された.
今回,乳癌の心臓転移という比較的稀な症例を経験し,その経過観察に心臓超音波検査が有用であったので報告する.