Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器②

(S780)

心臓原発巨大B細胞性リンパ腫の2症例

2 cases of primary cardiac diffuse large B cell lymphoma

千葉 章代1, 恒任 章1, 木村 由美子2, 古島 早苗2, 土居 寿志1, 佐藤 大輔1, 南 貴子1, 内田 祐里1, 河野 浩章1, 前村 浩二1

Akiyo CHIBA1, Akira TSUNETO1, Yumiko KIMURA2, Sanae KOJIMA2, Yoshiyuki DOI1, Daisuke SATO1, Takako MINAMI1, Yuri UCHIDA1, Hiroaki KAWANO1, Koji MAEMURA1

1長崎大学病院循環器内科, 2長崎大学病院検査部

1Cardiology, Nagasaki University Hospital, 2Laboratory Medicine, Nagasaki University Hospital

キーワード :

【症例1】
69歳男性.2年前に早期胃癌の切除術施行.下腿浮腫のため近医を受診したが利尿薬治療下でも増悪があり,同年2月当科紹介.血液検査では肝機能障害と,高感度トロポニンT 0.14mg/mLおよびNT-proBNP 2825pg/mlと高値を認めた.経胸壁心臓超音波検査では右房と右室の前方・右側からValsalva洞から上行大動脈にかけて,内部不均一なmassあり.右心系は腫瘤により圧排され右室自由壁の壁運動低下があり,右室流入出路の狭窄は認めなかった.カラードップラーでは腫瘍内にカラーシグナルを認めた.造影CT検査および造影MRI検査では不均一な造影効果を呈し肉腫などが疑われた.外科的に心筋生検を施行しびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された.R-THP-COP療法にて腫瘤の縮小を認めた.
【症例2】
61歳男性.約1年前より登坂時呼吸困難が出現し近医を受診し,心房細動を指摘された.この時の経胸壁心臓超音波検査ではLVDd/Ds=41/24mm,EF=73%,LAD=46mmと軽度の左房拡大が認められたが,それ以外には明らかな異常所見は認められなかった.今回,完全房室ブロックを伴う徐脈性心房細動に対して,ペースメーカ植え込み術目的に入院.しかし入院時の経胸壁心臓超音波検査では全周性に心嚢水を認め,三尖弁周囲から右房および右室自由壁にかけて異常な壁厚の増大を認め,心臓腫瘍が疑われた.三尖弁を中心に,右房も右室も内腔が狭小化しており,meanPG=5mmHgであったが軽度の三尖弁狭窄症様の血行動態が疑われた.右室自由壁は腫瘍により壁運動が制限され収縮低下があった.カラードップラーでは腫瘍内部にカラーシグナルを認めた.精査加療目的に当科へ転院となった.造影CT検査および造影MR検査では悪性リンパ腫や肉腫などの悪性腫瘍が強く疑われた.一時ペーシング留置後に外科的心筋生検を施行し,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の診断となった.約10日後に完全房室ブロックに対してペースメーカ植え込み術を施行.R-THP-COP療法に準じた化学療法にて腫瘍の縮小を認めた.
心臓原発性悪性リンパ腫は非常に稀な疾患であり,中でも巨大な腫瘤を呈するものは頻度が低い.心臓超音波検査で右心系に特徴的な巨大腫瘍を認めた,形態的にも類似した2症例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.