Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器②

(S779)

経胸壁心エコーで心尖部腫瘍を認めCardiac Fibromaが疑われた一例

Example that Cardiac Fibroma was doubted in echocardiography

横田 佳代子1, 丸尾 健2, 遠藤 桂輔1, 三宅 剛司2, 筑地 日出文1, 門田 一繁2

Kayoko YOKOTA1, Takeshi MARUO2, Keisuke ENNDOU1, Koushi MIYAKE2, Hidefumi CHIKUJI1, Kazushige KADOTA2

1公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院臨床検査技術部, 2公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院循環器内科

1Clinical Technologist, Kurashiki Central Hospital, 2Cardiovascular Medicine, Kurashiki Central Hospital

キーワード :

【症例】
43歳女性.
【現病歴】
生来健康で健診にて心電図で異常が認められた.近医にて経胸壁心エコー検査を施行したところ心尖部に異常所見があり,精査のため当院に紹介受診となった.
【経過】
心電図は洞調律,胸部誘導で陰性T波が認められた.心エコー検査を施行したところ,左室心尖部の心筋内に心筋の性状と異なる腫瘍が認められた.内に血流は認められなかった.経食道エコーを施行したところ,心エコーと同様にanterior〜apicalcapの心筋内に35×20mmのmassが認められた.心筋よりもやや輝度が高く密な性状で正常心筋との境界は不鮮明であった.内部に明らかな腫瘍血管は認めなかった.腫瘍精査のため,造影CT,造影MRIを施行した.造影CTでは腫瘍は心筋と同程度に比較的均一な造影効果を認め,腫瘍内に石灰化は認めなかった.造影MRIでは比較的辺縁は平滑だが,側壁側の一部は外側に広がるような歪な辺縁を認めた.rest perfusionでは造影不良を認め,また高度な遅延造影を認めたためcardiac fibromaが疑われた.
【考察】
外科的治療をされてないため病理的な確定診断はできず他の良性腫瘍の可能性も否定できなかったが,CT,MRIよりcardiac fibromaの可能性が高いと判断した.
【結語】
心エコー検査において,cardiac fibromaが疑われる心尖部腫瘍を指摘しえたので報告する.