Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器①

(S778)

Mid-ventricular tacotsubo cardiomyopathyの1例

A case of Mid-ventricular tacotsubo cardiomyopathy

今井 孝一郎

Koichiro IMAI

川崎医科大学循環器内科

Department of Cardiology, Kawasaki Medical School

キーワード :

【症例】
80代女性
【主訴】
胸痛
【現病歴】
20XX年9月,前医で人工関節置換術を施行された直後に胸痛を自覚した.心電図ではV1-4でST-Tの上昇を認め,心エコーにて左室前壁の壁運動異常を認めたため,急性心筋梗塞疑いにて紹介搬送された.
【来院時所見】
意識清明,血圧126/80 mmHg脈拍90 bpm整,心電図,心エコーは前医と同様であり緊急冠動脈造影検査を施行した.冠動脈では有意狭窄は認めず左室造影検査では心基部と心尖部は収縮を認めたが中部のみ無収縮でありたこつぼ心筋症(mid-ventricular type)と診断した.
【考察】
たこつぼ心筋症は様々な精神的あるいは身体的ストレスが誘因となり発症するとされる.本症例は膝関節手術がその誘因と考えられた.また,典型的なたこつぼ心筋症では左室基部の過収縮と心室中部から心尖部に及ぶ広範囲な壁運動低下がその特徴とされていたが,心尖部の壁運動が保たれた例も認められmid-ventricular tacotsubo cardiomyopathyと言われる.当院でのたこつぼ心筋症127例の検討では21例(17%)で心尖部の壁運動が保たれており,このような例は決して稀ではないと考えられた.