Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
工学基礎 基礎(イメージング2)

(S767)

高速ビームフォーミングの拓く新しい超音波イメージング

New ultrasonic imagings to be opened up with fast beamformings

炭 親良

Chikayoshi SUMI

上智大学理工学部情報理工学科

Dept of Info & Commun Sci, Sophia University

キーワード :

【目的・対象】
我々は,組織エコー法に基づく高速イメージングのための高速ビームフォーミング法を開発している.世界に先駆けて伝搬方向と交わる方向に広く拡がる波動を物理的に送信することを提案し,プローブとしては代表的なリニアやコンベックス,セクタ型を用いて,平面波や円筒波(2Dアレイを用いた場合には球面波)を生成し,例えば,組織粘弾性イメージングに応用している[US研究会2011年10月,IEEE US Symp 2007].軟組織や血流を対象にして国内外にて広く行われる様になった.物理開口の前後の位置に仮想音源や受信機を設けることも報告している[Rep Med Imag 2010].これらは,広い領域を一度にinterrogateできる特徴を持ち,受信時にはデジタル受信ダイナミックフォーカシングを高速に行う必要がある.その点で,通常のDAS処理よりも格段に高速且つ高精度なフーリエビームフォーミング法の開発にも取り組んできた(特徴として波数マッピングにおいて補間近似処理を要さない.例えば,ITEC2015).また,このフーリエ法を応用し,デカルト座標系や極座標系等の任意の直交座標系において,任意の物理送信ビームフォーミング時の受信処理を実現すると共に,干渉する複数の平面波やフォーカスビームを同時に送信しても受信処理を同時に一度に実施することを可能にした[昨年度の本研究発表会やITEC2015].これらはフレームレートを格段に向上させ,エコーの速い変化(組織変位やずり波伝搬,造影剤応用)や,計算量の多い2次元プローブを用いた3Dイメージングや高次計算を要する応用(超解像や別稿の粘弾性イメージング等)に有用となる.本稿では,開発したフーリエビームフォーミング法を中心に,(1)精度と計算時間について,波数マッピングにて補間近似処理を行う場合や通常のDAS処理,その他,過去に報告しているフーリエ空間において位相回転を行う精度の高い方法,時空間において位相回転を行う方法(compressed sensingにて報告有り)との比較,(2)仮想音源処理,(3)例えば,平面波や円筒波の一波単独では送信フォーカシングに比べて横方向に狭帯域となり分解能が低いが,複数の偏向平面波や偏向フォーカスビーム送信による広帯域化の効果を中心に,新しい超解像としてスペクトルの重み付け,非線形処理(高調波生成),瞬時位相イメージングを行った結果を報告する.
【方法・結果】
それらの有効性は,シミュレーションと寒天ファントム実験を通じて確認した.(1)シミュレーションにて簡単な点散乱体を対象としたイメージングを行ったところ,近似処理を交えた処理を行うと周囲にアーチファクトを生じた(低分解能,低コントラストになる).同等の精度を実現する周波数領域にて位相回転処理を行う方法に比べて格段に高速であった.時空間で位相回転を行う方法は,減衰や散乱による周波数変調の影響によって深部にて異なる像となった(体表組織に良い).(2)仮想音源を用いた高速イメージングも可能であった.(3)コヒーレント加算そのものも高分解能化に有効であるが,偏向波を密に単に重ねると広帯域化されず,それらの三つの超解像およびそれらの組み合わせを施すことは有効であった.
【考察・結論】
我々の取り組んでいる高次計算には,他に,温度や熱物性計測に基づくHIFU加熱治療のダイナミック制御(例えば,昨年度の本研究発表会)があるが,デジタルビームフォーミングならではに実現できる上記の高精密性を生かし,最近では,新しいPhotoacoutics[PET検査薬18F-FDGやグルコースを対象とした微小癌病変の鑑別と血糖値や高脂血症の精密(血流)イメージング]や顕微鏡応用にも取り組んでおり,これらに関しても最新の結果を報告する.