Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
工学基礎 基礎(イメージング1)

(S766)

拍動に伴う血管変形を考慮した2次元超音波計測融合血流解析システム

Two-Dimensional Ultrasonic-Measurement-Integrated Blood Flow Analysis System Considering Deformation of Blood Vessel by Pulsation

原田 大輔1, 早瀬 敏幸2, 宮内 優2, 井上 浩介2, 門脇 弘子3, 船本 健一4, 島崎 正5, 地挽 隆夫5, 見山 広二5

Daisuke HARADA1, Toshiyuki HAYASE2, Suguru MIYAUCHI2, Kosuke INOUE2, Hiroko KADOWAKI3, Kenichi FUNAMOTO4, Tadashi SHIMAZAKI5, Takao JIBIKI5, Koji MIYAMA5

1東北大学工学部, 2東北大学流体科学研究所, 3東北大学大学院工学研究科, 4東北大学学際科学フロンティア研究所, 5GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波製品開発部

1School of Engineering, Tohoku University, 2Institute of Fluid Science, Tohoku University, 3Graduate School of Engineering, Tohoku University, 4Frontier Research Institute for Interdisciplinary Sciences, Tohoku University, 5Ultrasound General Imaging Japan, GE Healthcare Japan

キーワード :

【目的】
血行力学の情報は循環器系疾患の機序の解明や新しい診断法の開発に不可欠である.2次元超音波計測融合(2D-UMI)血流解析システムは,超音波カラードプラデータを数値計算にフィードバックすることにより,血流速度ベクトル場や圧力場などの生体内の血流動態を詳細に再現することができる.従来の2D-UMI血流解析システムでは,血管形状は剛体として取り扱われてきたが,実際の血管は拍動により変形している.本研究は,各時刻におけるBモード画像データより抽出された血管形状を用いて2D-UMIシミュレーションを行い,拍動による血管変形を考慮した2D-UMI血流解析システムを構築することを目的とする.
【方法】
従来の2D-UMI血流解析システムでは,時間平均超音波カラードプラ画像を用いて血管の形状を抽出していたが,拡張期のカラードプラ画像による血管形状抽出は不可能であるため,本研究では超音波Bモード画像を用いた.各時刻のBモード画像とテンプレート画像との相関係数により血管形状を抽出する.テンプレートは1×30 pixelのグレースケール画像であり,上部と下部の輝度値を0,255とした.血管のy軸方向中心付近から上下に相関係数を求め,相関係数が極大となった位置を下壁,極小となった位置を上壁とし,超音波Bモード画像左端から右端まで血管壁の位置を抽出した.pixel単位で抽出された壁位置に対し,相関係数極大の点とその前後の2点を通る2次関数より,sub pixel単位で壁位置を抽出した.抽出された形状に対して平均化フィルタを用いて空間方向の平滑化を行い,血管形状を決定した.2D-UMIシミュレーションでは,各時刻の血管形状に対して境界適合格子を生成し,ドプラ計測結果をフィードバックしながら流体解析を行う.従来手法に比べて,より正確な壁せん断応力の評価が可能である.
検証実験の解析対象は20歳代健常男性ボランティアの総頸動脈とした.超音波診断装置(GE Healthcare Japan, LOGIQ S8)とリニア型超音波プローブ(GE Healthcare Japan, ML6-15-D)を用いて計測を行った.計測データを基に血管形状を抽出し,2D-UMIシミュレーションを行った.
【結果】
本手法により抽出された血管形状をFig.1に示す.抽出された血管形状を用いて拍動による血管変形を考慮した2D-UMIシミュレーションを行った.結果を従来の2D-UMIシミュレーションの結果と比較し,開発手法の有効性を明らかにした.