Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
その他

(S761)

新たな超音波トレーニングシステム:デジタル/リアルハイブリッドファントムの開発

Development of digital/real hybrid phantom for ultrasonography training system

曽山 武士, 作原 祐介

Takeshi SOYAMA, Yusuke SAKUHARA

北海道大学病院放射線診断科

Department of Diagnostic and Interventional Radiology, Hokkaido University Hospital

キーワード :

※本研究は基盤研究(C)デジタルファントムによる超音波画像診断トレーニングシステム構築のための基礎的検討(Research Project Number:26461781 筆頭研究者作原 祐介)に基づいて行った.
【目的】
デジタル/リアルハイブリッドファントムを開発し,Q&A形式の新たな超音波画像診断トレーニングシステムの実現可能性を確認する.
【対象と方法】
超音波診断ファントム-腹部病変付モデル“ABDFAN”(京都科学,リアルファントム)の単純CTを撮像(Brilliance iCT, PHILIPS, 3mm slice)し,3D slicer(free and open source)を使用してCT画像上で各臓器と病変のROIを囲み,各臓器の吸収値をダイナミックCTの門脈相に類似するよう調整(肝臓:110,門脈系:170など)し,更にABDFANの肝内に留置されている標的病変(直径2cmの球状構造)を高吸収値に調整することで,実在しない画像(デジタルファントム)を作成した.
【結果と考察】
①QuestionとしてダイナミックCTの門脈相に類似した画像(デジタルファントム)を提示し,USで同定すべき肝内の標的病的を指定した.②US-Bモード(EUB 7500,日立アロカメディカル株式会社)でABDFANの肝内に複数ある直径2cmの球状構造のうち,デジタルファントム上で指定された標的病変を同定させた.③AnswerとしてUS-CT fusion imaging(Real-time Virtual Sonography,日立アロカメディカル株式会社)を使用してUSで同定した標的病変がCT fusion imaging(デジタルファントム)で指定された標的病変と一致することを確認した(図:デジタル/リアルハイブリッドファントム,左:デジタルファントム,右:リアルファントムのUS画像).超音波診断ファントム“ABDFAN”はCTに対応しておらず,単純CTを撮像すると各臓器の境界以外は全体的に低吸収値を示したが,3D slicerを使用してダイナミックCTの門脈相に類似したデジタルファントムを作成できた.
【結論】
デジタル/リアルハイブリッドファントムを開発し,Q&A形式の新たな超音波画像診断トレーニングシステムの実現可能性を確認した.