Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
健診

(S756)

検診施設における造影超音波検査の検討

Contrast-enhanced ultrasonography for the first step detailed examination after health checkups

中川 智美1, 高倉 玲奈1, 西山 ひろみ1, 杉本 安莉1, 田路 英作1, 宮本 美佳子1, 吉野 千香1, 田中 幸子2

Tomomi NAKAGAWA1, Rena TAKAKURA1, Hiromi NISHIYAMA1, Anri SUGIMOTO1, Eisaku TOUJI1, Mikako MIYAMOTO1, Chika YOSHINO1, Sachiko TANAKA2

1大阪がん循環器病予防センターがん予防検診部門, 2大阪がん循環器病予防センター

1Department of Cancer Prevention, Osaka Center for Cancer and Cardiovascular Disease Prevention, 2Director, Osaka Center for Cancer and Cardiovascular Disease Prevention

キーワード :

【目的】
腹部超音波検査で肝臓に充実性病変を認めた場合,肝血管腫など良性病変の特徴的所見が捉えられなければ腹部超音波検診判定マニュアルのカテゴリー分類は4(悪性疑い)ないし3(良悪性の判定困難)となり,要精査ないし経過観察となる.しかしこれらの症例は紹介先医療機関での精査の結果,良性疾患と最終診断される例が多い.また,3ヶ月後の経過観察で変化がなくても悪性の可能性は否定できず,6ヶ月後まで放置するのは不安である.自施設での2次検査で良性病変を確定診断することを目的に当センターでは2015年7月よりソナゾイド®造影超音波検査を開始した.検診施設での造影超音波検査の有用性について報告する.
【対象】
健診腹部超音波検査にて肝腫瘤性病変を認めた20例(男9,女11)・22結節を対象に2015年11月までに造影超音波検査を行った.年齢は36〜70歳・平均48歳.背景肝は正常肝14例,脂肪肝6例で慢性肝炎や肝硬変の所見は認めず,HBs抗原・HCV抗体検査を行った16例はすべて陰性だった.腫瘤の最大径は9〜45mm・平均径19mm.15mm以上は13結節(59.1%)であった.内部エコーは高エコー11,低エコー9,高低混在2であった.対象20例の肝のカテゴリー分類はカテゴリー4が12例,3が7例,2が1例であった.高エコー像で肝血管腫疑うも特徴的所見に乏しいためにカテゴリー3へ,更にサイズが15mm以上でカテゴリー4になった症例や,脂肪肝における低エコー像で限局性低脂肪化域を疑うも好発部位でなく類球形のため肝腫瘤とした症例などが対象となった.カテゴリー2の1例は肝血管腫が疑われたが,膵病変を合併していたため要精査とした.
【方法】
使用装置:LOGIQ E9(GE社製).ソナゾイド®0.5ml/bodyを静注後,MI0.20〜0.25にて撮像.約3分までを血管相,10分以降を後血管相として観察した.染影パターンから判断した造影結果とその後の指示から造影超音波検査の有用性について考察した.
【結果】
①血管相:puddle enhance pattern(辺縁から斑状に中心へ向かって造影される)が14結節,iso-vascular(周囲肝実質と同様に染影)が8結節であった.②後血管相:9結節で欠損を認めた.全例血管相でpuddle enhance patternの結節であった.後血管相で欠損像として新たに指摘された1結節についてもRe-injection法で観察し,puddle enhance patternを呈した.
puddle enhance patternを呈した14結節を肝血管腫,iso-vascular patternの8結節は非腫瘍性病変と診断した.肝血管腫と診断したうちの1例は,病変が多発し最大結節が45mmと大きいので念のため医療機関に紹介したが,造影CTの結果,肝血管腫と最終診断された.
【結語】
当センターでは腹部超音波検診判定マニュアルに従ってカテゴリー判定しているが,良性病変がカテゴリー3や4になるケースが少なからずある.それらに対し,副作用も少なく低侵襲である造影超音波検査を検診施設で行うことで,精査の一部を担い,症例によっては他施設への紹介を必要とせず,次回の検診超音波で経過観察するなど自施設のみで完結でき,有用であった.