Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
健診

(S755)

膵管径は生理的に変動する?

Can the size of pancreatic duct vary physiologically

矢島 義昭1, 田中 瑶子2, 長塩 泰貴2, 高橋 信行2, 吉田 沙也香2, 佐藤 武敏2

Yoshiaki YAJIMA1, Yoko TANAKA2, Yasutaka NAGASHIO2, Nobuyuki TAKAHASHI2, Sayaka YOSHIDA2, Taketoshi SATO2

1黒沢病院附属ヘルスパーククリニック内科, 2黒沢病院附属ヘルスパーククリニック検査部

1Internal Medicine, Health Park Clinic Kurosawa, 2Clinical Laboratory, Health Park Clinic Kurosawa

キーワード :

腹部超音波健診において,主膵管の拡張は膵癌,IPMN,膵管癒合不全,慢性膵炎などの診断の端緒となる重要な所見である.腹部超音波健診マニュアルによれば,主膵管の3mm以上の拡張は要精検となっている.田中らによれば,膵癌切除例において切除の4年以上前に主膵管径が3mm以上であった例が35%に認められたと報告している.膵管拡張例は膵のう胞例と同様に膵癌のハイリスク群と考えられている.しかし,健診において,このような膵管拡張例にMRCPを施行すると正常範囲内と診断されることが少なくない.また,その後の経過観察において膵管拡張が見られなくなったり,膵管径が3mmを上下して変動する例がある.演者は走査中に分単位で拡張から正常範囲へと膵管径が変動した例を経験している.果たして膵管径の生理的変動はあるのか?
膵管拡張で2次精検を受診した例に対しては初回はMRCPを施行しているが,MRCPで正常範囲とされた例の経過観察について問題提起したい.
文献
1)Tanaka S, Nakaizumi A, Ioka T, et al: Main pancreatic duct dilatation: a sign of high risk for pancreatic cancer. Jpn J Clin Oncol 2002;32:407-411.