Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
健診

(S755)

健診超音波検査における膵嚢胞性病変の有病率と予測モデルの確立

Pancreatic Cysts in General Population on Ultrasonography; Prevalence and Development of Risk Score

揃田 陽子1, 2, 佐藤 雅哉1, 疋田 宏美1, 萩原 秀1, 佐藤 磨実子1, 後藤 寛昭1, 加藤 幸子1, 岩井 友美1, 矢冨 裕1, 池田 均1

Yoko SOROIDA1, 2, Masaya SATO1, Hiromi HIKITA1, Shu HAGIWARA1, Mamiko SATO1, Hiroaki GOTOH1, Sachiko KATO1, Tomomi IWAI1, Yutaka YATOMI1, Hitoshi IKEDA1

1東京大学医学部附属病院検査部, 2東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科

1Department of Laboratory Medicine, The University of Tokyo Hospital, 2Department of Biofunctional Informatics, Tokyo Medical and Dental University

キーワード :

【背景・目的】
膵嚢胞性病変は膵癌発症の高リスク群であり,これが認められた場合には精査やフォローの対象となりうる.過去に報告されている有病率は0.2-44.7%と,報告によりかなりばらつきがあり,そのほとんどは,何らかの疾患で通院,入院を要する患者を対象としており,一般健常人を対象としている研究は少ない.又,膵臓は経腹超音波検査では良好な観察が困難な患者が存在する臓器の一つであるため,膵嚢胞の存在リスクを他の所見から予測できれば,他のモダリティによる精査や経過観察が必要な高リスク群を囲い込める可能性がある.今回,我々は当院における多数例の健診データを用いて,超音波検査における一般健常人の膵嚢胞性病変の有病率を調べ,膵嚢胞性病変の存在の予測にかかわる因子について検討し,高危険群を絞り込む予測モデルの構築を試みた.
【方法】
当院健診部にて2007年12月から2013年12月までに腹部超音波検査を施行した5198名を対象とし,膵嚢胞性病変の有病率とそれに関わる因子を検討した.予測スコアの作成には全患者をランダムにtraining sample(n = 2599)とvalidation sample(n = 2599)の2群に振り分け,training sampleでモデルを作成,validation sampleにおけるROC曲線化面積(AUC)を用いて予測精度を検討した.
【結果】
膵嚢胞性病変の一般健康診断における超音波検査での検出率では3.5%であった.多変量解析では,膵嚢胞性病変の存在に関わる有意な因子として,高齢,女性,胆嚢腺筋腫症の存在が抽出され,肝腎コントラストの有無とも弱い相関を認めた(p = 0.052).ランダム抽出したTraining sampleを用いた多変量解析における回帰係数から,年齢,性別,胆嚢腺筋腫症の存在,肝腎コントラストの有無からなる予測モデルを作成した.testing sampleにおける予測モデルのAUCは0.711と良好であった.
【結論】
超音波検査での一般健常集団における膵嚢胞性病変の検出率は3.5%であり,年齢,性別,胆嚢腺筋腫症や肝腎コントラストの有無と関連を認めた.今回作成した予測モデルは,超音波検査で膵の描出が不良であった際に精査を検討するための指標として有用である可能性が示唆された.