Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
運動器 運動器②

(S750)

乾癬性関節炎および乾癬患者の関節エコーでの腱付着部炎の有病率調査

The prevalence of ultrasonographic enthesopathy in patients with psoriasis and psoriatic arthritis

武田 節子1, 岡野 匡志2, 橋本 あゆみ1, 杉岡 優子3, 真本 健司2, 小池 達也4, 乾 健太郎2

Setsuko TAKEDA1, Masashi OKANO2, Ayumi HASHIMOTO1, Yuuko SUGIOKA3, Kenji MAMOTO2, Tatsuya KOIKE4, Kentarou INUI2

1公立大学法人大阪市立大学医学部附属病院中央臨床検査部, 2公立大学法人大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学, 3公立大学法人大阪市立大学大学院医学研究科高齢者運動器変性制御学, 4公立大学法人大阪市立大学大学院医学研究科高齢者運動器変性制御学, 5白浜医療福祉財団骨リウマチ疾患探索研究所

1Central Clinical Laboratory, Osaka City Univercity Hospital Osaka, Japan, 2Department of Orthopeadic Surgery, Osaka City Univercity Medical School, Osaka, Japan, 3Center for Seline Degenerative Disorder, Osaka City Univercity Medical School, Osaka, Japan, 4Search Insutitute for Bone and Arthritis Disease, Osaka City Univercity Medical School, Osaka, Japan, 5

キーワード :

【はじめに】
乾癬性関節炎は皮膚疾患である乾癬に関節炎や付着部炎症状を合併した病態であり,乾癬患者の約10%程度にみられる.そのうち15%程度は関節症状が皮膚症状に先行し,診断に難渋する場合もある.従来,関節炎や付着部炎の評価は理学所見での圧痛や腫脹の有無によって行われてきたが,近年の画像診断技術の進歩によって関節炎や付着部炎の客観的な評価ができるだけでなく,早期診断や無症候性の炎症を検出することも可能となってきた.そこで今回われわれは乾癬性関節炎および乾癬患者の腱付着部炎における有病率を関節エコーで評価した.
【対象と方法】
対象症例は当院皮膚科で乾癬と診断されている28例(男性15例,女性13例)であり,理学所見による関節症状のある乾癬性関節炎患者が16例,関節症状のない乾癬患者が12例であった.腱付着部の超音波検査は,上腕骨外側上顆部・尺骨肘頭の上腕三頭筋腱付着部・膝蓋腱近位付着部・膝蓋腱遠位付着部・アキレス腱付着部・足底腱膜付着部の計6か所を日立アロカメディカル社HI VISION Ascendusで18MHzリニアプローブを用いておこなった.それぞれの付着部でグレイスケール(GS)およびパワードプラ(PD)法を用いて付着部炎の有無について評価した.
【結果】
乾癬性関節炎患者16例中,62.5%(10例)でいずれかの付着部にPD陽性所見が認められた.付着部炎が認められた部位は上腕骨外側上顆・アキレス腱付着部・膝蓋腱の遠位・膝蓋腱の近位付着部の順に陽性所見が多く観察された.臨床的に関節症状のない乾癬患者12例では,16.7%(2例)にPD陽性所見が認められた.また,経時的に観察できた症例では,付着部炎の改善傾向を確認できた.
【考察】
乾癬性関節炎患者では関節エコー検査によって,腱付着部炎が高率に認められた.また,付着部炎症状を伴わない乾癬患者でもサブクリニカルな腱付着部炎が検出され,将来的な乾癬性関節炎の発症を予測しうる可能性が示唆された.関節症状の有無にかかわらず,乾癬患者において関節エコー検査は腱付着部炎の状態を正確に評価可能であり,また経時的に観察を行う上でも有用なツールであると考えられた.