Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
血管 血管③

(S733)

心血管イベントのない患者における頚動脈プラークの10年の変化

Ten-year follow up of carotid plaque in patients without cardiovascular events

中鉢 由香1, 菅 明子1, 森 由美1, 永井 俊一2, 渡邉 哲3

Yuka CHUBACHI1, Akiko KAN1, Yumi MORI1, Shunichi NAGAI2, Tetsu WATANABE3

1医療法人永井医院検査, 2医療法人永井医院内科循環器科, 3山形大学医学部附属病院第一内科

1Physiological Laboratory, Nagai Clinic, 2Cardiology, Nagai Clinic, 3Cardiology, pulmonology and Nephrology, Yamagata University School of Medicine

キーワード :

【目的】
心血管イベントがなく,10年間頚動脈プラークの観察が良好にできた患者を対象に,頚動脈プラークの増加に影響を与える因子を明らかにする.
【方法】
2002年から2005年の間に頚動脈エコー検査を行い,その10年後にも同検査を行った,心血管イベントのない患者488名(男性172名,女性316名,平均年齢76.9±8.9歳)を対象とした.高度石灰化や深部のための観察不良症例,初回検査時で高度狭窄を認めた症例は除外した.
左右頚動脈の6か所のプラークを含む最も厚い内膜中膜複合体厚の総和をプラークスコア(PS)とし,10年のPSの推移を調べた.
年齢,10年間の追跡期間内の外来における収縮期血圧の平均と標準偏差(SD),変動係数(CV:SD/収縮期血圧×100),10年間の平均LDL-C,HDL-C,随時血糖,HbA1c,eGFRが,プラークに与える影響を調べた.
【結果】
追跡期間の平均は10.0±1.0年であった.追跡期間中にPSは5.92±2.2から6.92±3.1に増加していた(+1.00±2.41,p<0.0001).1か所あたりにすると,プラーク厚は10年で0.16mm増加したことになる.
75歳以上群と75歳未満群では,最終検査時のPSは7.45 vs 5.95で75歳以上群が有意に大きく(p<0.0001),PSの変化量は1.23 vs 0.56で75歳以上群が有意に大きかった(p<0.01).収縮期血圧135mmHg以上群と135mmHg未満群では,PSは7.30 vs 6.71で135mmHg以上群が有意に大きく(p<0.05),変化量は1.07 vs 0.96で差はなかった(ns).収縮期血圧のSD11.5以上群と11.5未満群では,PSは7.40 vs 6.52で11.5以上群が有意に大きく(p<0.01),変化量は1.02 vs 0.98で差はなかった(ns).CV8.5以上群と8.5未満群では,PSは7.27 vs 6.54で8.5以上群が有意に大きく(p<0.001),変化量は1.03 vs 0.96で差はなかった(ns).LDL-C120mg/dl以上群と120mg/dl未満群では,PSは6.80 vs 6.97で差はなく(ns),変化量も1.02 vs 0.99で差はなかった(ns).HDL-C40mg/dl以上群と40mg/dl未満群では,PSは6.81 vs 7.57で差はなく(p=0.06),変化量も1.05 vs 0.70で差はなかった(ns).随時血糖110mg/dl以上群と110mg/dl未満群では,PSは7.45 vs 6.50で110mg/dl以上群が有意に大きく(p<0.001),変化量は1.20 vs 0.83で差はなかった(p=0.09).HbA1c6.2%より大群と6.2%以下群では,PSは7.42 vs 6.78で差はなく(p=0.06),変化量は1.46 vs 0.87でHbA1c6.2%より大群が有意に大きかった(p<0.05).eGFR60以上群と60未満群では,PSは6.62 vs 7.54で60未満群が有意に大きく(p<0.01),変化量は0.83 vs 1.35で60未満群が有意に大きかった(p<0.05).
【結語】
PSは10年で1.00増加していた(1か所あたり0.16mm/10年).最終検査時のPSが有意に大きかったのは,75歳以上の高齢者,収縮期高血圧,血圧変動の大きいもの,随時高血糖,eGFR低下であった.またPSの変化量が大きかった因子は,75歳以上の高齢者,HbA1c高値,eGFR低下であった.