Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 母体・分娩①

(S719)

子宮底部血腫:帝王切開瘢痕部妊娠の補助診断所見

Uterine-fundal hypoechoic hematoma: A possible ultrasound sign for cesarean scar pregnancy

高橋 宏典, 桑田 知之, 馬場 洋介, 髙橋 佳代, 松原 茂樹

Hironori TAKAHASHI, Tomoyuki KUWATA, Yosuke BABA, Kayo TAKAHASHI, Shigeki MATSUBARA

自治医科大学産科婦人科

Obstetrics and Gynecology, Jichi Medical University

キーワード :

【背景】
帝王切開瘢痕部妊娠(Cesarean scar pregnancy: CSP)は帝王切開創部に胚着床し,子宮破裂や癒着胎盤を発生させる.通常,CSPは帝王切開瘢痕部の子宮筋層内胎嚢(Gestational sac: GS)の存在で診断する.しかし,胎嚢が筋層内に完全には埋没しないCSPが存在し,さらに子宮体下部正常妊娠,進行流産等ではCSP類似所見を示し得ることもあり,その診断が困難になる.当施設CSPでGS位置異常以外に子宮底部に血腫形成する例を複数経験した.また,CSPの治療は未だ確立しておらず,転帰の報告が少ない.①CSPで子宮底部血腫が発生しやすいか,②CSP治療転帰,を検討した.
【対象】
①2006年4月-2015年3月の10年間に当院で管理したCSP症例を対象とし,2014年1月-同年12月までの間に前回帝王切開既往(+)かつ妊娠9週未満に当院に初診し,分娩管理まで行った症例をControlとした.子宮内血腫形成と子宮底部血腫形成の発生率をそれぞれ比較検討した.②当院CSP症例の治療とその転帰を検討した.CSP診断例はmethotrexate(MTX)局注を第一選択とし,出血やhCG値等で治療を追加した.
【症例】
CSPは14症例,Controlは78症例だった.①子宮内血腫形成,子宮底部血腫形成はCSP群vs. Control群で,それぞれ6例(43%)vs.12例(15%)(P=0.028),4例(29%)vs.0例(0%)(P<0.001)であった.②14例中3例(21%)が当初,CSPと診断されなかった.胎嚢排出例(未診断D&C例,自然排出例)4例全てで出血のため子宮動脈塞栓(Uterine artery embolization: UAE)を要し,MTX治療10例中2例で出血によるUAEを要した.
【結論】
子宮底部血腫形成がCSP診断の一助となるかもしれない.