Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 腫瘍

(S708)

子宮内膜増殖症,子宮体癌に対するEUSの有効性・安全性

Endometrial Ultrasonography: Assessment of Endometrial Leison by Endoscopic Ultrasonography(EUS)

土肥 聡, 市塚 清健, 村元 美幸, 関谷 文武, 後藤 未奈子, 加藤 明澄, 折坂 勝, 長塚 正晃

Satoshi DOHI, Kiyotake ICHIZUKA, Miyuki MURAMOTO, Bunbu SEKIYA, Minako GOTO, Azumi KATO, Masaru ORISAKA, Masaaki NAGATSUKA

昭和大学横浜市北部病院産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Showa University Northern Yokohama Hospital

キーワード :

【目的】
子宮内膜増殖症と子宮体癌との形態的相違EUS(endoscopic ultrasonography:超音波内視鏡,以下EUS)を用いて,有効性・及び安全性を検討した.
【対象】
子宮内膜組織診または病理組織検査を行うことが前提の子宮内膜肥厚を認める正常例,単純型子宮内膜増殖症,複雑型子宮内膜異型増殖症,子宮体癌IIIc期を対象とした.
【方法】
経腟超音波にて子宮の位置・方向を確認後,EUSを外子宮口から挿入,EUSをDVDに録画,後日改めて病理所見と確認しながらEUSに認められた所見を検討した.
EUSはオリンパス内視鏡用超音波プローブUM-S20-20R(周波数20MHz,細径2.0mm)またはUM-DG20-31R(周波数20MHz,細径3.1mm)を使用した.
また,EUS施行時の安全性を疼痛,性器出血,嘔気・嘔吐について5段階評価でアンケート調査を行った.
なお,所属施設の倫理委員会にて審査・承認後に被験者からInformed Consentを得て研究を実施した.
【結果】
正常例及び単純型子宮内膜増殖症においては嚢胞構造は認められなかったが,複雑型異型内膜増殖症において,嚢胞構造を認め,お互いの嚢胞間距離は短く,嚢胞壁エコー輝度が比較的高く認めれられた.子宮体癌症例ではお互いの嚢胞構造はさらに狭く,嚢胞壁エコー輝度は比較的低い印象があった.
また,いずれの症例もEUS施行時の疼痛,性器出血,嘔気・嘔吐は認められなかった.
【結語】
EUSにおいて嚢胞の存在,嚢胞間距離,嚢胞壁エコー輝度により,非侵襲的に安全に詳細な診断ができる可能性が示唆された.