Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 胎児

(S706)

妊娠中期胎児足底長による出生時身長の個別的予測可能性

Second trimester fetal foot length as an individual predictor of birth height

市瀬 茉里, 菊浦 沙織, 松原 麻祐子, 樋口 紗恵子, 金高 友妃子, 手塚 真紀, 後藤 美希, 坂巻 健, 小林 浩一

Mari ICHINOSE, Saori KIKUURA, Mayuko MATUBARA, Saeko HIGUCHI, Yukiko KANETAKA, Maki TEZUKA, Miki GOTO, Ken SAKAMAKI, Koichi KOBAYASHI

東京山手メディカルセンター産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Tokyo Yamate Medical Center

キーワード :

【目的】
胎児発育・出生時体重及び身長の評価は,それぞれ超音波胎児計測妊娠週数毎基準曲線・出生時基準体重及び身長曲線からなされる.しかし,胎児は個別の遺伝情報をプログラミングされており,在胎あるいは出生時の理想的体重及び身長は個体毎に異なると考えられる.妊娠中期胎児足底長がその後の胎児発育の個別的予測因子となり得るか検討を行った.
【対象・方法】
2014年8月から2015年4月に,妊娠20週から23週に胎児スクリーニング超音波検査を施行した症例のうち,5本の指を含めた正確な足底の描出が可能であり,胎児発育へ影響を与え得る妊娠糖尿病などの母体合併症や臍帯付着部位異常を伴わず,胎児奇形を有しない64例を対象とした.妊娠20週から23週時の足底長(以下,妊娠中期足底長)を,この時期に妊娠週数とほぼ同じ値を示すことが知られている小脳横径で除した値と,出生時体重及び身長の標準偏差との相関について後方視的に検討した.超音波計測はVolsonE6(GEヘルスケア)を用いた.対象母体からは文書による同意を得た.
【結果】
妊娠中期足底長/小脳横径は,出生時体重の標準偏差とは有意な相関を認めなかったが,出生時身長の標準偏差とは有意な正の相関を認めた(ピアソン相関係数r=0.262,p<0.05).妊娠中の体重増加が5kg以上14kg未満であった47例では,妊娠中期足底長/小脳横径は,出生時体重の標準偏差と有意な正の相関を認めた(ピアソン相関係数r=0.286,p<0.05).また,妊娠中期足底長/小脳横径は,分娩時胎盤重量とは相関しなかった.
【考察・結論】
出生時体重は妊娠中母体体重増加の影響を受けやすい.これまで妊娠中同時点に超音波検査で計測した胎児足底長と推定体重が相関することは報告されているが,妊娠中期足底長がその後の胎児発育を予測することは知られていない.今回の検討から妊娠中期足底長は,出生時身長の個別的予測因子となる可能性が考えられた.本研究の限界として,妊娠中期足底長がそれ以前の子宮内環境に影響を受けている可能性を除外できないが,少なくとも分娩時胎盤重量とは相関を認めなかった.本研究はより個別化した胎児発育評価に役立つ可能性がある.