Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 胎児心臓循環

(S704)

胎児胸部冠状断面(Yサイン)を用いた右大動脈弓のタイプ別出生前診断

Prenatal ultrasonographic diagnosis of the right aortic arch using Y sign in the coronal section of fetal chest

青木 昭和, 藤脇 律人, 真鍋 敦

Showa AOKI, Ritsuto FUJIWAKI, Atsushi MANABE

松江赤十字病院産婦人科

Obstetrics & Gynecology, Matsue Red Cross Hospital

キーワード :

【はじめに】
右大動脈弓においては動脈管索やKommerell憩室による食道・気管の圧迫,将来の大動脈瘤化などが問題となる場合がある.しかし出生前では大動脈弓から出る血管の走行は把握しにくい為,そのタイプ別診断は難しい.一方,胸部冠状断面では大動脈弓から出る血管を描出しやすく,我々は胎児でも多用してきた.今回タイプの異なる右大動脈弓2例を経験し,胸部冠状断面にて正常例と比較しながらそのタイプ別診断を行い,知見を得たので報告する
【方法】
正常および右大動脈弓の胎児2例を対象とした.胎児の胸部冠状断面にて下行大動脈(D-Ao)を描出しこれを頭側に辿り合流部を描出し更に前後に移動する事で,分岐した2つのルート(大動脈狭部ルートと動脈管ルート)を確認し,その後アーチ動脈の走行,気管の状態を観察した.
【結果】
正常例:冠状断面では大動脈狭部-動脈管・合流部はY字を示し(Yサイン),両大血管とも気管の左側に位置していた.右大動脈弓例:症例1:スクリーニングにて右大動脈弓(retro-esophageal aortic type)と診断.胸部冠状断面にてYサインは気管の左右に大血管が存在する像を呈していた.左側の大血管からはarch動脈はなく,右側の大血管から3本のarch動脈を確認しRAA with mirror image(K&E type B)と診断した.出生後診断も同様で経過観察となった.症例2:スクリーニングとYサインの位置については症例1と同様.左側の大血管から1本のarch動脈(LSC)を確認しRAA with aberrant LSC(K&E type A)と診断し,出生後は動脈管退縮によりKommerell憩室化が予想された.また右側大血管が気管を圧迫する所見が得られた.生後,児に呼吸症状は認めなかったが,Kommerell憩室を確認し経過観察となった.以上より右大動脈弓での冠状断面では以下の有益な情報を得た.①気管を挟んで左右にアーチを認め,正常との鑑別が容易であった.②右大動脈弓で左アーチから左鎖骨下動脈が出る場合はKommerell憩室を形成した.③気管圧迫の有無が把握しやすい.
【結論】
右大動脈弓における冠状断面では,Yサインで特徴的な像を示し,アーチ動脈の起始・走行の同定が矢状断面・短軸断面より容易でtype別診断と,気管・気管支の観察が行えた.