Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
頭頸部

(S699)

頸部リンパ節転移における化学放射線治療後の超音波検査を用いた評価

Evaluation of lymph node metastases after chemoradiotherapy using ultrasonography

寺田 星乃

Hoshino TERADA

愛知県がんセンター中央病院頭頚部外科

Head and Neck Surgery, Aichi Cancer Center Hospital

キーワード :

【目的】
頭頸部癌の治療において臓器温存を目的とした化学放射線治療(CRT)は近年増加し,その重要性が増している.頸部リンパ節の制御は頭頸部癌の予後を左右するため,CRT後の転移リンパ節の治療効果が不十分な場合は追加治療として頸部郭清術(ND)が必要となる.しかしCRT後にNDを行った症例でも,実際に病理学的な残存腫瘍を認めないことはしばしば経験され,またCRT後には術後の合併症や機能障害の頻度が増加することも問題とされる.超音波検査(US)はリンパ節個々の変化をより鋭敏に評価でき,侵襲なく繰り返し行えるため,このようなCRT後の評価に有用な可能性がある.
CRT後の頸部リンパ節診断におけるUSの有用性を評価するため,USによるCRT後治療効果判定基準(案)を用いて検討を行った.
【対象・方法】
2014年より根治治療としてCRTを施行した頸部リンパ節転移陽性の頭頸部扁平上皮癌を対象とした.CRT施行前に1症例につき1リンパ節を評価し,CRT終了後4週後,8週後,12週後,6ヶ月後で形態変化を評価した.評価項目としてサイズ,液体成分の有無,充実成分,均一性,内部血流の有無について検討した.12週後にはPET検査を施行し,残存が疑われる場合には頚部郭清を行うこととした.主要エンドポイントは超音波検査による特異度とした.
【結果】
現時点で11例で同意取得,うち2例が治療未完遂,1例が他因死により脱落.8例中6例が治療終了し,観察期間に入っている.うち2例は転移リンパ節残存を疑い頸部郭清を施行した.これらの症例を含め,現在の進捗状況につき報告する.