Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
頭頸部

(S698)

咽喉頭異常感を主訴とする患者に対する頭頸部超音波検査の有用性

Utility of cervical ultrasonography for patients presenting globus symptoms

三宮 直子1, 福原 隆宏2, 松田 枝里子2, 服部 結子1, 堂西 亮平2, 横山 裕子2, 広岡 保明3, 竹内 裕美2

Naoko SANNOMIYA1, Takahiro FUKUHARA2, Eriko MATSUDA2, Yuiko HATTORI1, Ryohei DONISHI2, Yuko YOKOYAMA2, Yasuaki HIROOKA3, Hiromi TAKEUCHI2

1鳥取大学大学院医学系研究科保健学専攻, 2鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野, 3鳥取大学医学部保健学科病態検査学

1Graduate School of Medical Sciences, Tottori University, 2Department of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, Tottori University Faculty of Medicine, 3Department of Pathobiological Science and Technology, School of Health Science, Tottori University Faculty of Medicine

キーワード :

【はじめに】
咽喉頭異常感症は,咽喉頭に異常感を訴えるが通常の耳鼻咽喉科的検査により訴えに見合うだけの異常所見を認めないものと定義され,原因として局所的要因,全身的要因,精神的要因があるとされている.鳥取大学耳鼻咽喉・頭頸部外科では,咽喉頭違和感を主訴とする患者に対し,一般診療で異常が認められない場合に頭頸部超音波検査を施行している.今回,一般診療で異常が見つからない咽喉頭違和感患者に対する超音波検査の有用性を明らかにすることを目的とし検討を行った.
【対象】
2013年1月から2015年10月に,当院耳鼻咽喉・頭頸部外科を咽喉頭異常感の主訴で受診し,一般診察で明らかな異常が見つからず超音波検査を施行した患者56人を対象とした.
【方法】
診断装置は,ACUSON S2000(Siemens Healthcare)を使用した.項目は,具体的な症状,超音波検査における異常所見の有無,他に施行した検査における異常所見の有無,最終診断とした.
【結果】
患者は女性31人,男性25人,平均年齢59.5歳(範囲24-83歳)であった.全56人のうち,超音波検査において異常所見を認めた患者は29人であり,内訳は,甲状腺疾患27人,甲状腺疾患と副甲状腺種の合併1人,その他の異常1人であった.また,甲状腺疾患と診断された患者のうち2名は胃内視鏡検査により食道癌が発見された.甲状腺結節は22人で検出され検出率は39%であった.一方,超音波検査において異常所見を認めなかった患者は27人であった.このうちファイバーや胃内視鏡検査等によって異常を指摘された患者は7人であり,胃喉頭逆流症4人,アデノイド増殖症1人などが認められた.
【考察】
この度,咽喉頭違和感を訴える患者に対して超音波検査を施行した際の異常所見は約半数において認められ,多くは甲状腺疾患であった.超音波検査によるスクリーニングにおいて甲状腺結節の発見率は6.9-31.6%と報告されており,今回の検討においては39%とやや高い検出率であった.全ての異常感が甲状腺結節によって引き起こされたとは考えにくいが,咽喉頭異常感を訴える患者に対して超音波検査を施行する際は特に甲状腺のスクリーニングに注意する必要があると思われた.また,甲状腺疾患が認められた患者においても胃内視鏡検査により食道癌が検出されており,超音波検査において異常を指摘したとしても,直接的に異常感の原因になり得ないと考えられる場合は更なる精査を検討するべきであると思われた.超音波検査において異常を認めなかった患者の中には胃喉頭逆流症やアデノイド増殖症といった他の検査によって異常が検出された患者も含まれるため,超音波検査と同様に内視鏡検査等を考慮する必要があると思われた.