Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
甲状腺 甲状腺・皮膚

(S696)

限局性インスリン由来アミロイドーシスの超音波-血糖コントロールにおける役割の解明-

Ultrasound Improves Glycemic Control in Patients with Localized Insulin-derived Amyloidosis

菊地 実1, 3, 廣川 直樹2, 萩原 誠也3, 中山 秀隆3, 種田 紳二3, 萬田 直紀3, 坂田 耕一2

Minoru KIKUCHI1, 3, Naoki HIROKAWA2, Seiya HAGIWARA3, Hidetaka NAKAYAMA3, Shinji TANEDA3, Naoki MANDA3, Kouichi SAKATA2

1札幌医科大学大学院分子・器官制御医学, 2札幌医科大学放射線医学講座, 3萬田記念病院糖尿病センター

1Molecular and Organ Regulation, Sapporo Medical University Graduate School, 2Radiology, Sapporo Medical University, 3Diabetes Center, Manda Memorial Hospital

キーワード :

【目的】
限局性インスリン由来アミロイドーシス(以下,LIDA)の超音波診断ならびに血糖コントロール支援について検討した.
【対象および方法】
病理組織学的に診断されたLIDA22例を対象に超音波の存在診断能,超音波画像,臨床介入効果を評価した.存在診断能は外診法と比較し,さらに超音波で描出可能な皮下硬結ファントムの触診実験で外診精度を確認した.皮下変化の形態と性状をB-modeで定性的に,dB値と組織弾性指数を定量的に正常部と比較した.また,皮下変化を形態別に,サイズ,⊿dB,組織弾性指数比,造影能,CT画像,病理組織(脂肪組織分布)を比較した.さらに,インスリン吸収性と硬結部血流の関連を造影超音波で評価した.皮下変化発見を契機に,インスリン注射部位変更前後のHbA1c値,インスリン投与量の変化を評価した.
【結果】
外診法と超音波法のLIDA存在診断の正診率は超音波法が高く(外診法:77.2%,超音波法:100%),ファントム実験の触診正診率は54.5%で触知不能な模擬硬結が存在した.LIDAの超音波像は皮下組織の変化として描出し,その内部は構造変化と多様なエコー輝度を示し,形態は結節状(n=13)と非結節状(n=9)に分類された.定量的には,皮下変化部は正常部に比し有意なdB値低下(p<0.01)と組織弾性上昇(p<0.01)を認めた.形態別比較では,結節状は非結節状に比し,有意に低エコー化(p<0.01),低血流化(p<0.01),高い硬度(p<0.05)を示した.また,CTで充実性の場合は低エコー化し(p<0.01),病理検体内脂肪が低分布の場合は,結節状(p<0.01)を示した.造影超音波では皮下変化部は正常部より有意に血流低下を認め(p<0.05),インスリン吸収が悪く血中インスリン濃度の上昇量が小さかった(p<0.01).皮下変化発見後の臨床介入では,有意なHbA1c値低下(p<0.01)とインスリン投与量減量(p<0.01)を認めた.
【結語】
超音波では,LIDAは皮下変化として描出可能であり,その形態は結節状と非結節状に分類され,結節状は,低エコーで低血流,硬化した領域として示された.超音波による皮下変化の発見により,注射部位変更が実施され,結節状は非結節状に比べインスリン注射量は有意に減量された.われわれは,LIDAの体外式超音波の有用性と血糖コントロールにおける役割を明らかにした.