Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
甲状腺 甲状腺・皮膚

(S694)

副甲状腺腺腫の局在診断におけるSMIの有用性

Usefulness of SMI in ultrasonic localized diagnosis of parathyroid adenoma

宮本 智子1, 福島 光浩2, 太田 寿1, 筒浦 有紀恵1, 藪田 智範2, 小林 薫2, 中村 浩淑3, 宮内 昭2

Noriko MIYAMOTO1, Mitsuhiro FUKUSHIMA2, Hisashi OTA1, Yukie TSUTSUURA1, Tomonori YABUTA2, Kaoru KOBAYASHI2, Hirotoshi NAKAMURA3, Akira MIYAUCHI2

1隈病院臨床検査科, 2隈病院外科, 3隈病院内科

1Department of Clinical Laboratory, Kuma Hospital, 2Department of Surgery, Kuma Hospital, 3Department of Physiology, Kuma Hospital

キーワード :

【はじめに】
原発性副甲状腺機能亢進症は日本では腺腫によるものが約80%,過形成が15%,癌が5%と報告されている.基本的に治療は外科的切除が第一選択である.術前に画像による局在診断は必須であり,超音波検査,99mTc-MIBIシンチグラフィ,CTを組み合わせて診断されている.通常超音波検査において,副甲状腺腫は高エコーレベルに描出される甲状腺被膜の背側に扁平で内部均質な低エコー腫瘤として認められ,しばしば嚢胞変性を伴うことがある.ドプラ法では腫瘍内部がhypervascularに描出されることが多い.特に腫大したリンパ節と副甲状腺腫の鑑別には,ドプラ法で流入する血管や内部の血流情報の確認が重要とされる.
最近開発された新しい血流表示方法であるsuperb Microvascular Imaging(SMI)は,従来のドプラ法よりも高フレームレート・高分解能でモーションアーチファクトの影響を受けにくいため,より微細で低流速・低流量の血流評価が可能となった.今回副甲状腺腫の局在診断におけるSMIの有用性について検討を行った.
【対象と方法】
2015年4月から12月まで当院で手術を施行した原発性副甲状腺腫のうち,術前に超音波で局在診断が可能であった90症例101個の副甲状腺腫について,記録された動画を含む超音波画像をレトロスペクティブに検討した.
【結果】
副甲状腺腺腫ドプラ法で腫瘍内部がhypervascularに描出されることが多く,従来のカラードプラ法でも血流の描出は可能だが,SMIを用いることにより低流速で微細な血流をより鮮明に描出できた.
【まとめ】
SMIは,副甲状腺腺腫の局在診断に対する有用性が期待される.