佐伯 翔¹, 品川 慶², 山田 博康¹, 北本 幹也¹, 渡辺 千之², 平本 智樹², 佐々木 民人¹, 小道 大輔¹, 花田 麻衣子², 隅岡 正昭²

Sho SAEKI¹, Kei SHINAGAWA², Hiroyasu YAMADA¹, Mikiya KITAMOTO¹, Tiyuki WATANABE², Tomoki HIRAMOTO², Tamito SASAKI¹, Daisuke KOMITI¹, Maiko HANADA², Masaaki SUMIOKA²

¹県立広島病院消化器内科, ²県立広島病院内視鏡内科

¹Department of Gastroenterology, Hiroshima Prefectural Hospital, ²Department of Endoscopic Internal Medicine, Hiroshima Prefectural Hospital

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症例は87歳男性．20XX年4月に左側腹部痛，嘔吐，食欲不振を主訴に近医を受診した．腹部Ｘ線検査で小腸の拡張とニボー所見を認めたため，当科紹介となった．当院での腹部超音波検査にて右臍下部の回腸に第3層を首座とする約4cmの低エコー腫瘤を認めた．その腫瘤により口側回腸は軽度拡張し，閉塞機転の原因と判断された．造影CT検査でも骨盤部回腸に4cm大の腫瘍性病変を認め，同部を閉塞機転とする腸閉塞であると考えられた．入院後の下部ダブルバルーン小腸内視鏡検査では，回腸に管腔を占めるなだらかな立ち上がりを呈する隆起性病変で，頂部には白苔を伴う辺縁整な潰瘍を認めた．腸閉塞を生じていることから外科的手術の適応と考え，小腸部分切除術を施行した．病理組織結果はinflammatory fibroid polyp（IFP）であった．腹部超音波検査にて小腸腫瘍による小腸イレウスと診断した一例を経験した．小腸IFPは稀であり，文献的考察を含めて報告する．