Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 診断:一般②

(S676)

消化器疾患に対する3D超音波画像

3D Ultrasound Images for the Digestive Diseases

広岡 保明, 佐藤 研吾, 服部 結子, 生西 朗子, 島林 健太, 上田 直幸, 柳樂 治希, 三宮 直子, 小柳 由貴, 紙田 晃

Yasuaki HIROOKA, Kengo SATO, Yuiko HATTORI, Saeko IKUNISHI, Kenta SHIMABAYASHI, Naoyuki UEDA, Haruki NAGIRA, Naoko SANNOMIYA, Yuki KOYANAGI, Akira KAMIDA

鳥取大学医学部保健学科病態検査

Department of Pathobiological Science and Technology, Tottori University Faculty of Medicine

キーワード :

【目的】
消化器疾患において,診断に寄与する3D超音波画像の構築は未だ不十分な状況である.今回我々は,胆道疾患ならびに胃癌に対する3D超音波画像の構築を行い,補助診断法としての有用性について検討した.
【対象・方法】
鳥取大学医学部消化器外科で手術を施行された胆道疾患患者(67病変),胃癌患者(25病変)の術前超音波検査時に3Dプローブにてボリュームデータを取り込み,3D画像を構築した.胆道疾患の内訳(重複あり)は,胆石(40病変),ポリープ(17病変),腺筋腫症(12病変),胆嚢癌(2病変),その他(9病変).胃癌患者の3D画像構築前にパイロットスタディーとして,飲み込んだ食物を3D画像構築し,胃内でどのように見えるかの検討を行った.本検討は鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を得て行った.
【結果】
(1)胆道疾患では67病変中50病変が画像上も病変部として判定でき,鑑別がある程度可能であった.3D画像が補助診断として有用であった点としては,(A)腺筋腫症のRASや壁内結石が確認でき腺筋腫症の診断が可能であった点,(B)患者への説明時に3D画像を見せることで,より病気の理解が得られやすかった点,などであった.(2)胃癌患者の3D画像を構築する前に,健常人が『パスタ』や『うどん』を飲み込んで3D画像の構築を行った所,添付した画像(車輪型パスタ)のように食物の形態が視認でき,その詳細についての判断が可能であった.(3)胃癌では25病変中7病変で内視鏡像に比較的近似した画像が得られたが,補助診断法(Virtual Endoscopyなど)としての活用は現時点では不十分であった.
【考察】
胆道疾患における3D画像の構築は比較的可能で,腺筋腫症と平坦型胆嚢癌との鑑別における補助診断など,3D画像は活用可能と思われた.しかしながら,小胆石と小ポリープの鑑別など,さらなる検討が必要と思われた.一方,胃内のパスタなどの3D画像は構築できたにもかかわらず胃癌の3D画像の構築が難しかった理由としては,残渣,内腔の拡張不足,早期癌での病変の同定不可,ダイナミックレンジやゲインなどの条件設定ミス,などが考えられた.
【結論】
現時点では,胆道疾患に対する補助診断としての3D画像の活用は可能と思われたが,胃癌に対する3D画像構築は発展途上であった.今後,Virtual Endoscopyとしての活用を目指して,高精細な3D画像の構築が期待される.