Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝血流

(S664)

肝腫瘍診断における造影Superb Micro-vascular Imaging(SMI)の有用性:

Added value of Sonazoid®-Enhanced Superb Micro-vascular Imaging(SMI)in evaluation of focal solid hepatic lesions: An observer study

小川 紗織

Saori OGAWA

東京医科大学病院消化器内科

Gastroenterology, Tokyo Medical University

キーワード :

【目的】
Superb Micro-vascular Imaging(SMI)は従来の手法より微細で低流速の血流を描出可能とした新しいイメージング技術である.SMIは造影剤を使わなくても比較的良好な画像が得られるが,我々の臨床経験では造影下において,よりその威力を発揮すると考えられた.今回我々は,肝腫瘤診断における造影SMIの有用性を評価するための観察者実験を行ったので報告する.
【方法】
本研究は倫理委員会で承認されて行われた.対象は2015年6月から2015年10月までの4カ月間に,肝腫瘤性病変の鑑別診断目的でソナゾイド®造影超音波を行った,37例37結節である:HCC 26例26結節;転移性肝癌3例3結節;肝血管腫;4例4結節;限局性結節性過形成(FNH);3例3結節;肝細胞腺腫;1例1結節.平均腫瘤径は26 mm±16である.観察者実験に際し,2つの画像セットを用意した:画像セットAは,造影超音波vascular phase(VP)とKupffer phase;画像セットBは,セットAに造影SMIを加えたものである.これらは全て動画像であり,造影SMIはVP撮像後から3分後までに撮像した.観察者実験は3名の造影超音波の経験を3年以上有する肝臓専門医が行い(R1-R3),各読影医はセットAをまず読影し,肝腫瘤の診断と確信度の評定を行った.その後セットBを読影し,再度肝腫瘤の診断と確信度の評定を行った.評定は連続確信度法を用いて行い,P<0.05を統計学的有意差ありとした.
【成績】
対象とした全結節において,読影セットBはAと比べ,各読影医の確信度は著明に上昇し,R1とR3では統計学的有意差を認めた.疾患別では,HCCとFNHで,読影セットBはAと比べ,全ての読影医の確信度は著明に上昇し統計学的有意差を認めた.一方,診断の正診率に関してはセットAとBで統計学的有意差は認めなかった.
【結論】
今回我々が施行した観察者実験から,通常の造影検査に造影SMIを加えることで,腫瘍の鑑別診断に有用であることが示された.造影SMIは腫瘍の血管構築を描出する上で極めて有効なbreak through技術であり,日常の造影超音波検査において広く一般に行われるべき方法と考え今回報告した.