Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 胆・膵①

(S649)

悪性胆道閉塞に対するEUSガイド下順行性胆管ステント留置術の成績

The efficacy of EUS guided antegrade stenting for the malignant biliary stenosis

幡丸 景一

Keiichi HATAMARU

日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科

Gastroenterology and Hepatology, Japan Red Cross Society Wakayama Medical Center

キーワード :

【緒言】
手術不能悪性胆道閉塞に対して経十二指腸乳頭的胆道ステント留置術が広く行われているが,十二指腸乳頭への到達不能例や胆管挿管困難な例が散見される.当院において経乳頭的処置の困難な胆道閉塞に対し,EUSガイド下順行性胆管ステント留置術(EUS-AG)を行った症例の治療成績を報告する.
【対象】
2015年10月までに切除不能悪性胆道狭窄に対してEUS-AGを施行した4例(EUS-HGS, EUS-AG併用が3例,EUS-AG単独が1例).
【方法】
HGS/AG併用例:EUS下に19G穿刺針で左肝内胆管を穿刺,0.025 inchのguidewireを用いて狭窄部を超えるように先進させ,穿刺部の拡張後に狭窄部と穿刺部にそれぞれ金属ステントを留置した.拡張はブジーカテーテルもしくは通電ダイレーターを使用し,バルーンカテーテルで追加拡張を行った.留置ステントについて,HGS部にはcovered metal stentを使用し,AG部にはuncovered metal stentを使用した.
AGS単独例:guidewire先進までは同様であるが,瘻孔拡張は行わず,狭窄部にuncovered metal stentを留置した.また瘻孔部からの胆汁流出を最小限に抑えるため,5FrのENBDを用いて外瘻チューブ留置とした.
【結果】
年齢は69±9.9歳,男性2例,女性2例.経乳頭処置困難原因としては,膵頭部癌による十二指腸狭窄1例,膵頭十二指腸切除後再発1例,胃癌術後再発が2例であった.手技的成功率,臨床的改善率はいずれも100%であった.早期偶発症は認めず,後期偶発症としてはHGS/AG併用例において1例,ステント閉塞を認めたため,HGSステントを追加留置とし改善が得られた.
【考察】
EUS-AGは経皮的胆管ドレナージに比較するとチューブ留置による患者負担の軽減が可能であり,さらにEUS-CDSやEUS-HGSに比較してステント迷入・逸脱のリスクが低いと考えられる.ただしEUS-ABSは穿刺部から腹腔内への胆汁漏出のリスクがあることから,処置後の胆管内減圧が重要であると考えられる.偶発症に十分注意する必要があるが,経乳頭的処置の困難な症例に対して有用な手技と考えられた.