Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝腫瘍:治療①

(S646)

転移性肝癌に対するRFAにおける造影エコーおよびCT同期表示システムの有用性の検討

Usefulness of Sonazoid®-enhanced ultrasonography or navigation system(CT fusion imaging)in radiofrequency ablation for liver metastases

後藤 亨

Tohru GOTO

大森赤十字病院消化器内科

Department of Gastroenterology, Omori Red Cross Hospital

キーワード :

【目的】
転移性肝癌に対するRFAは,HCCに対するRFAの時に比べより大きな焼灼範囲の獲得が必要とされており難易度が高く,様々な治療支援システムが活用されている.当科の治療支援システムは,平成21年にソナゾイド®造影エコーを導入し,腫瘍描出困難な場合や,壊死範囲の拡大に役立てていたが,平成26年10月にCT画像と超音波画像を同期させて同一画面に表示するCT同期表示システム(Smart Fusion:東芝社製Aplio 500)を導入し積極的に活用している.さらに必要に応じて造影エコーとSmart Fusionを併用することにより焼灼不足の部位を明瞭に認識し壊死範囲の拡大を目指している.今回これらの治療支援システムの転移性肝癌に対するRFAに対する有用性を検討した.
【方法】
対象は25年1月以降に当院で施行した転移性肝癌に対するRFAのうち根治を目的としたのべ64例(男:女41:23,73±10歳(mean±SD))118病変(腫瘍径20.0±11.0mm).Smart Fusion導入前である26年9月までを前期,それ以降を後期とし,造影エコーおよびSmart Fusionの使用頻度,追加焼灼の有無,そして治療完遂までの難易度の指標として評価CT撮像回数を比較した.さらに最終的に治療完遂し得たRFA施行時に使用したものを有効であったシステム,一時的に使用するも最終的に使用しなかったものを無効と定義し,造影エコー,Smart Fusion,さらに両者併用について評価した.
【成績】
前期41例68病変,後期23例50病変で,年齢,性別,原発巣,病変の大きさ,人工腹水使用頻度,専門医施行頻度に有意差はなかった.追加焼灼が必要であった病変数(前期31病変45.6%,後期26病変52.0%),評価CT撮像回数(前期1.6±0.8回,後期1.7±0.7回)に有意な差はなくSmart Fusion導入でRFA施行状況に明らかな変化は認めなかった.各治療支援システムについて検討では,前期で造影エコーの使用は42病変61.8%で,このうち7病変で造影エコーは無効であり有効であったのは35病変83.3%であった.後期の造影エコーの使用は31病変62.0%で前期と有意な差はなく1病変のみが無効で有効であったのは30病変96.8%と後期の方が有効な傾向であった(p=0.07).Smart Fusionは後期で19病変38.0%に使用され,うち最終的にSmart Fusionのみで完遂したものが5病変,造影エコーと併用にて完遂ものが14病変であり全て有効であった.前後期で治療支援システムの有効であった割合を比較すると,造影エコーのみで治療支援を施行していた前期は,未使用26例,無効7例以外の35例51.4%が有効であったが,後期は未使用の15例を除く35例70%が有効であり,Smart Fusionが加わったことで有意に治療支援システムが活用されていた(p<0.05).両者の併用が有効であった14病変について検討すると初回から併用していたのは5病変で,それ以外の9病変は造影エコーを先行して用いていた.病変の描出には造影エコーが活用され,焼灼範囲の拡大目的にSmart Fusionが併用されていることが示唆された.
【結論】
造影エコーにSmart Fusionを適切に併用することにより転移性肝癌に対するRFAの治療完遂に役立つと考えられた.