Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝腫瘍:治療①

(S644)

経皮的ラジオ波焼灼術におけるneedle navigation system使用の有用性

Needle navigation system as a supporting tool for percutaneous redio frequency ablation

安井 豊, 高田 ひとみ, 中岫 奈津子, 玉城 信治, 鈴木 祥子, 土谷 薫, 中西 裕之, 板倉 潤, 黒崎 雅之, 泉 並木

Yutaka YASUI, Hitomi TAKADA, Natsuko NAKAKUKI, Nobuharu TAMAKI, Shoko SUZUKI, Kaoru TSUCHIYA, Hiroyuki NAKANISHI, Jun ITAKURA, Masayuki KUROSAKI, Namiki IZUMI

武蔵野赤十字病院消化器科

Department of Gastroenterology and Hepatology, Musashino Red Cross Hospital

キーワード :

【目的】
磁気センサーを用いた新しい技術であるneedle navigation systemは針先端の位置をモニター上に表示させる技術である.本手法を用いることで局所治療にどのような付加価値が得られるかについて検討した.
【方法】
使用装置は東芝メディカルシステムズ社製Aplio 500,使用プローブは腹部用マイクロコンベックスプローブである.当科では経皮的ラジオ波焼灼術は外筒針を用いた2 step methodを用いており,21Gガイドニードルを覆う形で腫瘍近傍まで外筒を刺入し,その後に腫瘍を焼灼し,肝表まで外筒を戻した後に肝表のトラックアブレーションを施行している.本方法におけるneedle navigation systemの有用性を検討した.針先位置の表示は,RFA針先端部の表示および外筒針先端部の表示を行い,それぞれ有用であった結節を検討した.
【結果】
RFA針先端部表示のneedle navigationは,1)ドーム下病変など穿刺時に見上げ操作が強くなり針先描出能が低下する結節,2)焼灼中の呼吸性変動により針先位置がずれやすい横隔膜隣接結節,3)深部焼灼後に肝表側に追加焼灼する際の位置合わせにおいて有用であった.外筒針先端部表示のneedle navigationは,1)エコー断面の横断方向に複数回穿刺が必要である結節における2回目以降の穿刺,2)肝表部近傍の焼灼におけるトラックアブレーションの位置調整において有用であった.内外筒針を用いる2 step methodでは,体表から5cmまででのplaneのずれは生じなかった.一方で,体表から10cmになると針方向のずれによる仮想表示針の位置ずれも生じた.また,背側からの描出時にはベッドの金属との干渉が原因と思われる位置情報の不正確さが出現した.
【結語】
needle navigation systemはRFA時の正確な針位置決定に有用であり,特に治療前に計画困難な焼灼効果がエコー画面上に出現して以降の針位置調整に有用である.外筒針はたわみがほとんど生じないため,深部の位置表示のずれは生じにくい.