Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 エラストグラフィ・他

(S641)

肝切除症例におけるTransient elastographyに影響する腫瘍因子の検討

Predictive factors of liver stiffness with transient elastography in case underwent hepatic resection

松本 直樹1, 小川 眞広1, 熊川 まり子1, 渡邊 幸信1, 高安 賢太郎1, 平山 みどり1, 三浦 隆生1, 中河原 浩史1, 森山 光彦1, 高山 忠利2

Naoki MATSUMOTO1, Masahiro OGAWA1, Mariko KUMAGAWA1, Yukinobu WATANABE1, Kentaro TAKAYASU1, Midori HIRAYAMA1, Takao MIURA1, Hiroshi NAKAGAWARA1, Mitsuhiko MORIYAMA1, Tadatoshi TAKAYAMA2

1日本大学医学部消化器肝臓内科, 2日本大学医学部消化器外科

1Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Medicine, Nihon University School of Medicine, 2Department of Digestive Surgery, Nihon University School of Medicine

キーワード :

【目的】
Transient elastography(TE)による肝線維化の予測については数多くのデータが蓄積されており,これを基として保険適応となっている.肝硬度は線維化の他,炎症,うっ血,黄疸の影響を受ける他,多発性嚢胞肝や巨大な肝嚢胞による機械的圧迫により高値となることも言われている.これまでの論文では肝生検組織との比較であり,サンプリングエラーの問題がある.肝切除例での非癌部ではより大きな領域の観察により病理診断が正確になることもあるが,腫瘍因子の影響は殆ど検討されていない.今回,測定結果が線維化の反映から大きく外れた症例について,腫瘍因子を中心として検討したので報告する.
【方法】
対象は2014年12月〜2015年1月に当院で肝切除を行い,肝硬度測定を行った61例とした.切除対象の腫瘍は肝細胞癌(HCC)(43例),肝転移(10例),肝内胆管癌(5例),混合型肝癌1例,FNH 1例,IPNB 1例.背景肝の原因疾患はHBV 8例,HCV 18例,アルコール7例,その他36例.初回切除は50例,再切除は11例.ALTは中央値27(7-93)U/L.BMIは中央値23.1(18.3-30.8).腫瘍因子として,腫瘍の種類,径,局在,門脈浸潤の有無,肝静脈浸潤の有無などを検討した.肝硬度の測定はFibroscan 502 Touch,Mプローブ(Echosense)を用いた.新犬山分類のF0-F4の各群に分け,それぞれSmirnov‐Grubbs検定を行って外れ値と判定された4例について解析した.
【成績】
1.外れ値と判定されたのは,症例1(F0,肝硬度16.5kPa,最大S3径28mm,2個,肝転移,再切除),症例2(F1,肝硬度9.9kPa,最大S4径20mm,3個,HCC,再切除),症例3(F3,肝硬度38.5kPa,右葉径70mm,HCC,vp3,vv2,初回切除),症例4(F4,肝硬度66.5kPa,S4,径32mm,HCC,初回切除).いずれも肝硬度は高値で外れ値となっており,BMIは22前後,ALTは7-43U/Lであった.症例1,2は再切除例であること,症例3は右葉の大型の腫瘍で,門脈・肝静脈浸潤が特徴であった.2.その他,外れ値と判定されなかったものの,各群の中央値から大きく高値となった症例では,ALT高値,BMI高値,S1の大型腫瘍などが特徴であった.
【結論】
肝切除例においては,線維化以外にALT高値,BMI高値が肝硬度をより高値としていた他,右葉-尾状葉の大型腫瘍,再切除などが影響していた可能性が考えられた.