Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝:症例①

(S637)

腹部超音波が診断の契機になった多彩な肝血管異常と結節を伴うオスラー病の1例

Useful abdominal ultrasonography for diagnosis of Rendu-Osler-Weber disease with various hepatic vascular anomalies and nodules; A case report

斎藤 なお1, 鈴木 康秋2, 関野 益美1, 泉谷 正和1, 松本 靖司1, 小林 裕2, 村上 雄紀2, 久野木 健仁2, 芹川 真哉2, 杉山 祥晃2

Nao SAITO1, Yasuaki SUZUKI2, Masumi SEKINO1, Masakazu IZUTANI1, Yasushi MATUMOTO1, Yuu KOBAYASHI2, Yuuki MURAKAMI2, Takehito KUNOGI2, Shinya SERIKAWA2, Yoshiaki SUGIYAMA2

1名寄市立総合病院臨床検査科, 2名寄市立総合病院消化器内科

1Clinical Laboratory, Nayoro City Genaral Hospital, 2Gastroenterology, Nayoro City Genaral Hospital

キーワード :

【症例】
50歳代,女性.検診でγGTPとALPの高値を指摘され近医受診.腹部CTにて肝内胆管不整拡張を指摘され,原発性硬化性胆管炎疑いで当院消化器内科紹介となった.血液生化学検査では,WBC 4900,Hb 13.1,Plt 10.0万,AST 24,ALT 21,γGTP 118,ALP 381,T-Bil 0.7と胆道系酵素の軽度上昇と血小板数の軽度低下を認めた.肝炎ウイルス,自己抗体,腫瘍マーカーは全て陰性であった.腹部エコーでは,肝内血管の拡張を認めたが,肝内胆管拡張は認めなかった.特に肝動脈と肝静脈の拡張が著明で,肝動脈は蛇行状拡張,肝静脈は紡錘状拡張を呈し,門脈は肝門部で本幹の拡張を認めた.また,ドプラにてAP shunt,AV shuntを認めた.肝実質はまだら状の不整結節エコーを認めた.以上より,オスラー病による肝血管異常が考えられた.超音波検査後の詳細な問診・診察により,反復する鼻出血歴と毛細血管拡張が判明し,オスラー病の確定診断となった.その後,腹部CTによる血管再構築像により肝内血管の拡張・蛇行・シャント所見が,EOB-MRIにより多発肝過形成結節所見が確認された.
【考察】
オスラー病は,消化管や脳,肺の臓器動静脈奇形,反復性鼻出血,毛細血管拡張症を特徴とする遺伝性疾患である.肝の動静脈奇形は40から70%に認めると報告されており,本症例のように腹部超音波・ドプラ検査が診断に有用である.また,肝実質のまだら状の不整結節エコーは,肝内血流分布の不均衡により発症する肝結節性再生性過形成(NRH)と考えられた