Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 門脈・脾

(S633)

造影エコーによる部分的脾動脈塞栓術の評価

Utility of contrast-enhanced ultrasonography evaluating partial splenic embolization

佐伯 一成, 福井 悠美, 花園 忠相, 日高 勲, 高見 太郎, 坂井田 功

Issei SAEKI, Yumi FUKUI, Tadasuke HANAZONO, Isao HIDAKA, Taro TAKAMI, Isao SAKAIDA

山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学

Gastroenterology and Hepatology, Yamaguchi Univeristy Graduate School of Medicine

キーワード :

【目的】
我々の施設では肝硬変などに伴う門脈圧亢進症に対して積極的に治療介入している.特に脾機能亢進症に対する部分的脾動脈塞栓術(PSE)は門脈圧の低下作用も見込め,非常に有用な方法である.通常PSE後の評価として施術後1週間および1ヶ月に造影CTを撮影しているが,度重なる放射線検査による被曝や観血的な検査・治療介入が多く,患者へ負担を強いる現状がある.そこで,超音波検査(US)を用い非侵襲的に門脈系の評価や脾塞栓率の測定ができるか検討する.
【対象と方法】
2013年1月より2015年8月まで当科にてPSEを施行した30例を対象とした.平均年齢は66.4歳,男女比17/13,Etiology HBV/HCV/Alcohol/その他3/17/6/4,LC/not LC 28/2,PSE前の血小板値(Plt)5.6±2.6×1010/L,脾容積483.3±248.3cm3であった.PSE前1週間以内とPSE後1週間で造影超音波(CE-US)を施行し,PSE後1週および1月の造影CTと比較した.超音波診断装置はAscendus(日立アロカメディカル社)を,探触子はEUP-C715を使用した.塞栓率はSonazoid®0.5cc/body投与後10min後に任意のスライス(5-10スライス)で脾臓をスキャンした.その上で,術者が脾臓の輪郭および塞栓部の輪郭を囲み,塞栓率を評価した.
【結果】
PSE後1週間/1月後には,Pltは5.6→12.6へ増加した.平均脾静脈血流速度(SPV-Vm)は有意に低下し(p<0.001),それに伴い推定脾静脈血流量(SPV-FV)も有意に低下した(p<0.001).Sonazoid®造影による脾塞栓率評価はPSE後1月後のCT評価と良好に相関している(p<0.001).1M後の血小板上昇率とDSA塞栓率/US/CT塞栓率の評価を比較したところ,USと1M後CTが有意な相関関係を示しており,中でもUSでの塞栓率がPlt上昇率と最も良い相関を示していた(p=0.028).
【考案】
PSEにより門脈血流は劇的に変化し,USにより門脈および脾静脈血流の評価が可能であった.脾臓は網内系の中心臓器であり,投与したSonazoid®は脾臓の貪食細胞に取り込まれる.CTは血流評価が主体であるが,1月後のCTでの塞栓率評価とCE-USでの評価は良好な相関を示しており,塞栓率評価はCE-USで代用可能と考えられた.CE-USによる評価が血小板上昇率とCT以上に相関していたことはSonazoid®による塞栓率評価が血流評価だけではなく,機能的評価までも行えている可能性が示唆された.
【結論】
Sonazoid®造影によるCE-USは放射線被曝なく可能でありPSE後の評価として有用である.