Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝:一般①

(S631)

腹部超音波検査が有用であったディスペプシアを呈した悪性腫瘍症例の検討

Usefulness of abdominal ultrasonography for dyspepsia with malignant tumor

豊田 英樹

Hideki TOYODA

ハッピー胃腸クリニック消化器科

Gastroenterology, Happy GI Clinic

キーワード :

【背景】
機能性消化管疾患診療ガイドライン2014-機能性ディスペプシアに記載されている診断と治療のフローチャート」によると機能性ディスペプシアの診断に必須の検査は内視鏡のみであり,「腹部超音波検査などの画像診断は消化管以外の器質的疾患を除外するうえで重要な手段であり,状況によって積極的に行うべきと考えられる」と記載されている.しかし,どのような状況において腹部超音波検査等が推奨されるのかは記載されていない.
【目的】
ディスペプシア症状のため当院を受診しUSにて発見された進行期悪性腫瘍症例14例を検討し どのような症例で腹部超音波検査施行が必要なのかを検討する.
【対象・方法】
2009年4月から2015年12月19日までにディスペプシア症状のためハッピー胃腸クリニックを受診された症例のうち腹部超音波検査が悪性腫瘍の発見の契機となった14例を対象として,腹部超音波検査が有用と考えられるディスペプシア症例について検討した.
【結果】
14例の内訳は,進行胃癌5例,膵癌3例,卵巣癌3例,盲腸癌1例,肝内胆管癌1例,悪性リンパ腫1例であった.65歳以上を高齢者とすると警告症状を認めた症例は10例(高齢8例,体重減少4例,腫瘤触知3例)であった.警告症状を認めなかった症例は4例で胃癌2例,卵巣癌2例であった.下腹部腫瘤を呈した4例(卵巣癌3例,盲腸癌1例)では全例で膨満感を認めたが,早期満腹感や胃もたれは認めなかった.また逆流症状は4例中3例,心窩部痛は4例中2例で認められた.
【結論】
ディスペプシア症例のうち 警告症状を認めるものは膵癌などの進行癌の可能性があるため,内視鏡だけでなく腹部超音波検査を行うことが望ましいと考えられた.卵巣癌は警告症状を認めない場合が少なくなく,女性で膨満感を訴えるが,早期満腹感や胃もたれを認めない場合などでは卵巣癌などの下腹部腫瘍の可能性も念頭に置き腹部超音波検査を行うことが重要と考えられた.