Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 診断:一般①

(S625)

消化管ガスによるsearchlight phenomenonについて

Searchlight phenomenon: a novel artifact arising from intestinal or rectal gas

長沼 裕子1, 石田 秀明2, 長井 裕3, 小川 眞広4, 大山 葉子5, 渡部 多佳子2, 船岡 正人1, 藤盛 修成1, 奥山 厚1, 武内 郷子1

Hiroko NAGANUMA1, Hideaki ISHIDA2, Hiroshi NAGAI3, Masahiro OGAWA4, Yoko OHYAMA5, Takako WATANABE2, Masato FUNAOKA1, Shusei FUJIMORI1, Atushi OKUYAMA1, Satoko TAKEUCHI1

1市立横手病院消化器科, 2秋田赤十字病院超音波センター, 3N.G.I研究所, 4日本大学病院消化器肝臓内科, 5秋田厚生医療センター臨床検査科

1Department of Gastroenterology, Yokote Municipal Hospital, 2Center of Diagnostic Ultrasound, Akita Red Cross Hospital, 3New Generation Imaging Laboratory, 4Department of Gastroenterology and Hepatology, Nihon University Hospital, 5Department of Medical Laboratory, Akita Kousei Medical Center

キーワード :

【はじめに】
我々は本学術集会で十二指腸ガスによるsearchlight phenomenon(以下SP)を呈示し,胆嚢のコメットエコーと誤認しやすく,注意が必要であることを報告した[1].SPは十二指腸ガスによるring-down artifactのrange-ambiguity artifact(くも状エコー)と考えられた[1,2,3].SPは十二指腸ガスによるもの以外に,小腸,直腸のガスによるSPも認められる.今回,消化管ガスによるSPについて再検討したので報告する.
【対象と方法】
2015年7〜9の3ヶ月間にUS検査を施行した1216例において,消化管ガスによるSPを認めた症例数,頻度,消化管の部位,SPの出現した場所,持続時間,について検討した.視野深度を深くして繰り返し周波数(PRF)を下げた場合に変化するかどうかについては,観察可能な症例について検討した.使用装置:日立アロカ社製Preirus,Avius,東芝社製Aplio500,XG,GE社製LOGIQE9.
【結果】
SPは1216例中15例(1.2%)にみられた.胆嚢内に見られたSPは8例(0.7%)で十二指腸ガスによるもので,腹水内にみられた3例(0.2%)は小腸ガスによるもので,膀胱内にみられた4例(0.3%)は直腸ガスによるものであった.いずれも持続時間は数秒であった.視野深度を深くして観察できた4例全例において,SPは視野深度を深くしても同様に認められた.
【考察】
消化管ガスの後方には減衰しないアーチファクト,ring-down artifactがみられることがある[2].我々は深い位置にある反射体がPRFが高いことにより浅い位置に表示されてしまうくも状エコーについても報告を重ねてきた[1,3].Ring-down artifactは減衰しない信号であるために,浅い位置にくも状エコーとして表示されることがあり,ring-down artifactとくも状エコーという,2つのアーチファクトが組み合わさったアーチファクトとして,SPと名付けた.SPは,無エコーの部位に重なった場合に(十二指腸ガスの場合は前方の胆嚢内,小腸ガスの場合は前方の腹水内に,直腸ガスの場合は前方の膀胱内にというように),目立ち認識されやすいと考えられた.SPは消化管ガスの移動とともに瞬時に変化し,出現したり消失したりを繰り返すため,SPを理解することが,認識することにつながると思われる.このようなアーチファクトを知っておくことは,超音波画像を理解する上で重要と思われる.
【文献】
1)Naganuma H, Ishida H, Funaoka M, et al. Mobile schoes in liver cysts: a form of range-ambiguity artifact. J Clin Ultrasound 2010; 38: 475-9.
2)Avruch L, Cooperberg PL. The ring down artifact. J Ultrasound Med. 1985; 4: 21-8.
3)Naganuma H, et al. Searchlight phenomenon: a novel artifact of the gallbladder. J Med Ultrasonics(In press).