Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 脂肪肝

(S619)

脂肪肝超音波画像の臨床像評価と診断一致率に関する検討

Evaluation of clinical characteristics and interobserver agreement on ultrasonographic diagnosis of fatty liver

福間 麻子1, 佐藤 秀一2, 新田 江里1, 石飛 文規1, 三宅 達也2, 飛田 博史2, 齋藤 宰2, 長井 篤1, 木下 芳一2

Asako FUKUMA1, Shuichi SATOU2, Eri NITTA1, Fuminori ISHITOBI1, Tatsuya MIYAKE2, Hiroshi TOBITA2, Tukasa SAITOU2, Athushi NAGAI1, Yoshikazu KINOSHITA2

1島根大学医学部附属病院検査部, 2島根大学医学部消化器・肝臓内科

1Shimane University Hospital, Central Clinical Laboratory, 2Shimane University Faculty of Medicine, Department of Gastroenterology and Hepatology

キーワード :

【背景】
脂肪肝の確定診断には肝生検が必要であるが,侵襲性を伴うため超音波検査による診断が頻用される.しかし,その診断は非定量的で超音波を施行する医師や技師にゆだねられているのが実情のため,同じ超音波画像を見ても脂肪肝の診断は検査者によって異なる可能性がある.したがって,超音波で脂肪肝,非脂肪肝に見える様々な画像を見た場合の診断一致率を調べることは重要であるが,これまで十分な検討はなされていない.
【目的】
超音波による脂肪肝の診断一致率が全体あるいは検者背景別解析でどの程度変動するかについて検討を行い,超音波による脂肪肝の客観的精度を検討する.
【対象】
超音波画像は,2014年11月13日から2014年12月1日に当院を受診し,超音波検査を受けた13例とした.超音波指導医が脂肪肝と判断される症例と脂肪肝でないと判断される症例を決定した.また,評価者は島根腹部超音波研究会参加の医師と技師で,本研究に同意,協力頂けた48名とした.
【方法】
使用装置は,LOGIQ E9,LOGIQ 7(GE社製).コンベックスプローブで,心窩部縦走査,右肋弓下横走査,右中腋下線上での肋間走査で各10秒間のスキャンを行った動画を配布して評価を行なった.評価者には,臨床情報を伏せた状態で超音波画像を提示し3回以上の繰り返し閲覧はせず,人と相談せずに判定させた.アンケート方式で,年齢・性別・職種・腹部超音波経験年数・超音波医学会専門医,検査士の有無などを記入させ,症例ごとに正常肝・軽度,中等度,高度脂肪肝の診断を選択させた.また,診断の根拠となったエコー所見も選択記載させた.
【結果】
評価者は,医師40%,検査技師54%,放射線技師6%であった.また,経験年数1年未満15%,1-4年15%,5-9年28%,10以上36%,20年以上6%であった.専門医・検査士を持っている人は14名であった.
評価者間信頼性,級内相関係数を用いた全体の一致率評価では一致率0.765と,substantialとなった.脂肪肝の有無の一致率は高いが,ばらつく症例では,超音波専門医・検査士の有資格者で診断一致率は高かった.経験年数や職種による違いは認めなかった.また,脂肪肝の程度の診断がばらつく症例がみられた.
【まとめ】
級内相関係数を用いた全体の一致率評価では一致率0.765となり,かなり高かったが,その一致率は,超音波専門医・検査士など超音波の専門性に多少左右される.超音波によって脂肪肝の診断を行う際には,これらの背景を認識しておく必要があると考えられた.
【謝辞】
本研究に際して,島根腹部超音波研究会ならびに研究会参加ご協力頂いた皆様に深謝いたします.