Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝線維化②

(S613)

超音波ガイド下肝生検58例のASQ:Acoustic Structure Quantificationと背景の比較

The study of relations between ASQ(Acoustic Structure Quantification)and clinical backgrounds in 58 patients received liver biopsy with US technique

岩堂 昭太, 宮武 宏和, 詫間 義隆, 植松 周二, 荒木 康之

Shouta IWADOU, Hirokazu MIYATAKE, Yoshitaka TAKUMA, Syuuji UEMATU, Yasuyuki ARAKI

広島市立広島市民病院内科

Internal Medicine, Hiroshima City Hospital

キーワード :

【目的】
東芝メディカル社が開発したASQは,画像の粗さを評価解析し,肝実質エコーの粗さを評価できうる手法である.ASQは肝線維化評価が困難との報告があり,肝線維化診断に音響パワーの負荷を要するShear wave elastography,Fibro scanなどの有用性が報告されている.このためASQの臨床的特徴を検討された報告が少ない.病理学的背景肝探索目的で超音波ガイド下肝生検施行された症例について後ろ向きに検討した.
【対象】
2014年2月から2014年11月の期間に,超音波ガイド下生検が行われた連続症例の58症例を対象とした.臨床診断の内訳は,C型慢性肝炎24,代償性C型肝硬変2,慢性B型肝炎1,HBVキャリアー2,自己免疫性肝炎4,原発性胆汁性肝硬変症3,薬物性肝障害5(内アルコール性肝硬変4),非アルコール性脂肪肝5,非アルコール性脂肪肝炎8,正常肝4(数字症例数).
【方法】
使用機種は,TOSHIBA APLIO 500.使用プローブ,PVT-375BT 3.5MHz(5KHz:23例,6KHz:1例),PVT-674BT 6MHz(7KHz:23例,8KHz:11例)(frequency).ASQ解析ソフトは,ASQ_V1.11βR002(July2013)を用い,肝表近傍に,深さ2cm,幅2.5cm以上のROIを作成後,Cm2%を算出し,ASQ値として平均値Cm2%を用いた.統計ソフトはJMP11を用い,各症例の背景因子として,年齢,性別,BMI,肝機能,PT-INR,血中ヒアルロン酸,血小板数,ヘモグロビン(Hb),血清鉄,血清フェリチン,新犬山分類,Fib-4 index,APRIとし,ASQ値と比較検討した.HCV関連疾患以外は,病理所見から新犬山分類に再度振り分けた.
【結果】
内訳は,男性17,年齢中央値63,Hb 13g/dL,血小板数16万/mm3,T.Bil 0.94mg/dL,ZTT 15U/L,TTT 7.1U/L,AST 71U/L,ALT 93 U/L,G-GT 77 U/L,ALP 304U/L,LDH 205U/L,Cr 0.71mg/dL,血清アルブミン(alb)4.2g/L,PT-INR 1.06,血中ヒアルロン酸214ng/mL,血清鉄116μg/dL,血清フェリチン209mg/mL,A因子0123 8/29/19/2,F因子01234 9/27/15/3/4,Fib-4 index 3.3,APRI 1.35(数字平均値,症例数).ASQ値平均値127,SD11.9だった.ASQ値と正の相関だった背景因子は,PT-INR,血中ヒアルロン酸(p<0.01)で,負の相関は,BMI,血小板数,alb(p<0.01),ALT,Hb,血清フェリチン(p<0.05)だった.PT-INR,血中ヒアルロン酸,BMI,血小板数,albの因子で最小二乗法による多変量解析では,BMI(p=0.0188)が強くASQ値と相関していた.しかし,読み替えた新犬山分類との関連は乏しかった.今回の多変量解析から作成された予測式(p<0.01)から正常上限下限値を代入して得られたASQ値正常上限は123で,既報告のC型慢性肝炎線維化進行の最良cut-off値113より高い数値となった.
【考察】
今回の対象は雑ぱくな肝疾患の集団であり,ASQ値は,疾患特異性の高い新犬山分類,Fib-4 index,APRIとの関連は乏しい結果となってはいたが,一般的に肝硬変と強く関わるとされる,BMI,血中ヒアルロン酸,PT-INR,血小板数,血清アルブミンと関連があった.肝生検病理結果との不一致に,肝線維化の不均一さや,後ろ向きの検討のためにASQ評価の良好な部位と安全な針生検部位が異なってしまうサンプリングエラーも関与していることが疑われた.
【結論】
ASQ値は,疾患非特異的にスクリーニング的に肝硬変を予測する可能性があると思われた.更なる多数例の検討が望まれる.