Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
消化器 肝線維化①

(S611)

経口直接作用型抗ウィルス薬が著効したC型肝硬変例のフィブロスキャン肝硬度の検討

Analyses of stiffness using Fibroscan for liver cirrhosis of HCV achieved Sustained virological response by treatment of direct acting antiviral drugs

伝法 秀幸1, 斎藤 聡2, 窪田 幸一1, 藤山 俊一郎2, 鈴木 義之1, 2, 竹内 和男3

Hideyuki DENPO1, Satoshi SAITOH2, Koichi KUBOTA1, Shunichiro FUJIYAMA2, Yoshiyuki SUZUKI1, 2, Kazuo TAKEUCHI3

1虎の門病院分院臨床検査部, 2虎の門病院肝臓センター, 3虎の門病院消化器内科

1Department of Clinical Laboratory, Toranomon Hospital Kajigaya, 2Department of Hepatology, Toranomon Hospital, 3Department of Gastroenterology, Toranomon Hospital

キーワード :

【目的】
近年,C型肝炎におけるインターフェロンフリー経口直接作用型抗ウィルス薬(IFN free-DAAs)治療が代償性肝硬変にも適応になり,肝硬変例でもSustained virological response(SVR)が得られるようになった.このため,非侵襲的な線維化測定法であるフィブロスキャンを用いて,DAA治療前後での肝硬度変化と,門脈圧亢進症,特に食道静脈瘤の有無や治療歴などを比較検討した.
【対象と方法】
経口直接作用型抗ウィルス薬(DAAs)が著効し,SVR24が得られ,上部消化管内視鏡検査とフィブロスキャンによる肝硬度測定を施行したC型肝硬変28例.年齢:48〜83歳(中央値68歳),男女比9:19.使用機器はFibroscan502(ECHOSENCE):Mプローブ,XLプローブ.内視鏡システム:CV-290・260,GIF-290・260(オリンパス).フィブロスキャンは皮下厚20mm未満はMプローブ,20〜25mmはM・XLプローブ併用,26mm以上はXLプローブを使用し,既報の如く右肋間より10回測定し,IQR-median 30%以下の中央値を肝硬度(kPa)とした.食道静脈瘤は上部消化管内視鏡検査にて,Form(F)分類とred color sign(RCS)を判定した.食道静脈瘤の治療は原則として予防的治療とし,治療基準は初回ではF2・RCS(+)以上,2回目以後はF1・RCS(+)以上を治療対象とした.食道静脈瘤以外の門脈側副血行路と脾腫に関しては造影CTないしは造影MRIにて評価した.進行癌症例および門脈侵襲がみられた症例は除外した.それらの症例において,DAAs治療前,DAAs治療後,SVR24週の時点でフィブロスキャンを施行し,肝硬度の変化(kPa)および変化率(%),食道静脈瘤の有無や内視鏡治療歴(EVL・EIS)などに関して比較検討をした.
【結果】
①経口DAAsにてSVRとなったC型肝硬変28例の肝硬度(中央値)は,治療前23.1kPa,治療後18.7kPa,SVR24週後14.2kPaと有意に低下した.
②SVR24週で肝硬度が低下したのは28例中24例(86%)で,中央値:10.1kPa低下,肝硬度変化率(中央値):−40%であった.
③食道静脈瘤の有無と肝硬度(中央値)の比較では,DAAs治療前では静脈瘤なし21.5kPa/あり24.1kPaと有意差は無かったが,SVR24週後では静脈瘤なし8.8kPa/あり17.2kPaとなり,肝硬度変化率(中央値)は静脈瘤なし−60%/あり−28%で,両群とも治療前に比べ低値を示し,さらに静脈瘤を認めない群の方が大きく変化し有意に低値となった.
④食道静脈瘤の内視鏡治療歴有無と肝硬度(中央値)の比較では,DAAs治療前では静脈瘤治療なし23.0kPa/あり23.5kPaと有意差は無かったが,SVR24週後では,静脈瘤治療歴なし12.9kPa/あり17.3kPaとなり,肝硬度変化率(中央値)は静脈瘤治療歴なし−53%/あり−12%で,両群とも低下したが,静脈瘤治療歴がある例では変化に乏しく有意に高値となった.
【まとめ】
SVRとなったC型肝硬変例の肝硬度は有意に低下した.しかし一部の肝硬度変化が少ない例や,依然高値を呈する例では,治療を要する食道静脈瘤(riskey varices)を有する可能性があり注意を要する.