Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 治療評価

(S601)

トルバプタン外来投与心不全症例における心エコー図による有効性の評価

Effect of long-term tolvaptan administration on echocardiographic parameters in patients with heart failure

中村 政彦, 岡 怜史, 須藤 洸司, 牧野 有高, 梅谷 健, 佐野 圭太, 高橋 宗一郎

Masahiko NAKAMURA, Satoshi OKA, Koji SUDO, Aritaka MAKINO, Ken UMETANI, Keita SANO, Soichiro TAKAHASHI

山梨県立中央病院循環器内科

Department of Cardiology, Yamanashi Prefectural Central Hospita

キーワード :

【目的】
トルバプタンはバソプレシンV2-受容体拮抗剤で,急性期心不全例に投与されるが,入退院を繰り返し,継続投与が必要となる場合がある.今回,トルバプタンの比較的長期外来投与例の心エコー図による心機能を検討した.
【方法】
対象は2012年2月から14年12月までの当院におけるトルバプタン投与124例中,複数回入退院を繰り返し,外来継続投与に至り心エコー図で収縮拡張機能を評価できた18例(男性14例,女性4例),平均年齢68.2±3.9歳(37〜93歳),中央値72.5歳である.拡張型心筋症9例,虚血性心筋症5例,弁膜症3例,先天性心疾患1例である.利尿薬投与量,NT-proBNP,New York Heart Association(NYHA)の心機能分類,胸部X線所見,心エコー図M-mode法で左室駆出率(EF),左室拡張終期径(EDD),収縮終期径(ESD),左房径(LAD),パルスドプラ法で左室急速流入波(E)と心房収縮波(A)の比(E/A),Eの減衰時間(DT)を求めた.組織ドプラ法で中隔と側壁基部の拡張早期僧帽弁輪速度(e’)を計測してE/e’を求めた.
【結果】
トルバプタン平均投与量,7.70±3.74 mg/日,中央値7.50 mg,平均投与期間353±264日,中央値303日だった.トルバプタン投与前後で,利尿剤のフロセミド換算量は有意に減少した(132±49.4 vs 92.5±50.1 mg, p<0.005).NT-proBNPは低下傾向だが有意差なく,NYHA分類(3.5 vs 2.6,p<0.001),胸部X線上の心胸比(63.1±6.9 vs 59.7±7.0%,p<0.01)は有意に低下した.心エコー図の左室駆出率は増加傾向で(40.7±19.3 vs 45.1±19.1%,p = 0.05),左室収縮終期径(47±13 vs 44±13 mm, p<0.05),拡張終期径(59±11 vs 57±10 mm, p<0.05)は有意に縮小した.左房径,拡張機能に有意な変化はなかった.
【総括】
トルバプタン長期外来投与例では体液貯留の改善から左室前負荷が軽減し,左室のreverse remodelingが生じ,収縮機能が改善する可能性が示唆された.