Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 その他

(S597)

医学生の心エコー実習におけるシミュレーター教育の効果

Impact of Echocardiographic Simulator on Education for Medical Students

松浦 一義2, 山田 博胤1, 2, 楠瀬 賢也1, 鈴川 理乃2, 平田 有紀奈2, 山尾 雅美2, 西尾 進2, 赤池 雅史3, 佐田 政隆1, 2

Kazuyoshi MATSUURA2, Hirotsugu YAMADA1, 2, Kenya KUSUNOSE1, Rino SUZUKAWA2, Yukina HIRATA2, Masami YAMAO2, Susumu NISHIO2, Masashi AKAIKE3, Masataka SATA1, 2

1徳島大学病院循環器内科, 2徳島大学病院超音波センター, 3徳島大学大学院医歯薬学研究部医療教育開発センター

1Cardiovascular Medicine, Tokushima University Hospital, 2Ultrasound Examination Center, Tokushima University Hospital, 3Medical Education, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School

キーワード :

【背景】
従来,臨床経験のない医療系学生・研修医が,臨床手技を学ぶとき,まず教科書で知識を得て,実際の手技を見学し,実際の患者さんの協力を得て先輩から手技を習得していた.近年,大学病院を中心とした多くの施設にスキルス・ラボが設置され,手技の習得にシミュレーション教育が加わるようになった.本研究は,クリニカルクラークシップで初めて臨床実習を行う医学生を対象とし,心エコー検査におけるシミュレーター教育の効果について検討した.
【方法】
徳島大学医学科4〜5年生の学生89人に対して,心エコー検査の実習を行った.そのうち44人は従来通り講義とハンズオンによる実習を行い,45人はシミュレーター(VIMEDIX,CAEヘルスケア社)を使用して実習を行った.実習後に心エコー検査の画面描出テストを行った.基本7断面(傍胸骨長軸断面,傍胸骨短軸断面,心尖部四腔断面,心尖部二腔断面,心尖部長軸断面,僧帽弁口血流速波形,下大静脈)の描出についての達成度を,それぞれの断面,波形につき3点満点で評価した(満点:21点).また,試験所要時間および実習後の満足度を調査した(満点:5点).
【結果】
全体の平均スコアは16.6点,全体の平均試験時間は318秒であった.シミュレーター群の合計得点は従来群に対し有意に大であり(18±2 vs 14±4 p<0.001,図),所要時間は有意に短縮した(271秒±117 vs 365±134秒,p<0.001).基本断面の描出では心尖部断面の差が大であり(四腔断面:2.8 vs 2.0 p<0.001,二腔断面:2.5 vs 1.6 p<0.001,長軸断面:2.7 vs 2.0,p<0.001),下大静脈では有意差を認めなかった(2.7 vs 2.3 p=0.055).また,シミュレーター群の満足度は従来群よりも高得点であった(4.6±0.6 vs 4.2±0.7,p=0.014).
【結論】
心エコーシミュレーターを用いた教育は,医学生の心エコー断面の描出精度と所要時間を改善し,実習の満足度を向上させた.本法は医学生教育においても有用であり,さらなる普及と有効的活用が望まれる.