Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
循環器 その他

(S596)

傾向スコア推定による心臓超音波検査時における腹部大動脈瘤のスクリーニング法の検討

Propensity scor estimation of the screening of abdominal aortic aneurysm during transthoracic cardiac ultrasound

石田 誠子1, 加藤 貴雄3, 井浦 玉恵1, 佐々木 健一2, 舩迫 宴福2, 中根 英策2, 宮本 昌一2, 和泉 俊明2, 春名 徹也2, 猪子 森明2

Seiko ISHIDA1, Takao KATO3, Tamae IURA1, Kenichi SASAKI2, Moritoshi FUNASAKO2, Eisaku NAKANE2, Shoichi MIYAMOTO2, Toshiaki IZUMI2, Tetsuya HARUNA2, Moriaki INOKO2

1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院臨床検査部, 2公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院心臓センター, 3京都大学医学部付属病院循環器内科

1Clinical Laboratory Department, Tazuke Koufukai, Medical Research Institute, Kitano Hospital, 2Cardiovascular Center, Tazuke Koufukai, Medical Research Institute, Kitano Hospital, 3Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University

キーワード :

【はじめに】
心疾患患者には大動脈瘤発症の危険因子を有する患者が多いことから,当院では2008年11月より経胸壁心臓超音波検査(TTE)時に腹部大動脈瘤(AAA)検索を開始しTTEの際のAAA検索の有用性について検討した.体外式腹部超音波検査(AUS)を比較対象としてAAAの有病率と被検者の特徴を比較した結果,TTEのほうが高齢で男性の被検者が多く,AUSの約2倍の頻度でAAAが発見された.またTTEでは高血圧を有する被検者が半数でAUSの2.4倍.虚血性心疾患を有する被検者が約半数でAUSの3.7倍であった.結果,AUSの約2倍(60歳以上の日本人の有病率の約2倍)の頻度でAAAを発見できた.しかしTTEとAUSでは使用プローベや超音波装置の条件が異なることから,今回,TTEはAUSと同等にAAAを検出しうるかについて,傾向スコア推定により背景因子を同等に調整し検討した.
【対象と方法】
2009年,2010年に成人のTTEの際に腹部大動脈を観察し,同時期のAUSを対照群とした.既知のAAAもしくはAAA疑い例,不同意例を除外し,TTE(被検者7,619名)とAUS(15,433人)について,併存症や検出率を検討した.AAAの定義として,1)一部が局所的に拡張して瘤を形成し大動脈径が3cm以上,2)大動脈の一部の直径が正常径の1.5倍以上に拡大している,3)解離の所見があるものとした.次に年齢・性別・併存症について傾向スコアを算出し,4388人をマッチさせ検出率をpaired t-testで検定した.
【結果】
TTE被験者群では59例,AUS被験者群では48例のAAAが検出され,両群間に差はなかった(p=0.331).AAAは,男性(adjusted odds ratio[OR],3.25; 95%CI, 2.05-5.15; P<.001),高齢(adjusted OR, 1.029; 95%CI, 1.01-1.046; P<.001),虚血性心疾患(adjusted OR, 1.78; 95%CI, 1.04-3.03; P=0.033),高血圧(adjusted OR, 2.16; 95%CI, 1.38-3.38; P=0.001)と関係を認めた.
【結語】
TTEはAUSと同等にAAAを検出しえた.TTEの際に腹部大動脈瘤のスクリーニングを行うことは簡便であり有用であると考えられた.